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2006年4月 2日 (日)

3月のモノトーン

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花巻に出張に行ってきました。
伊丹は朝から雨の荒れ模様。行き先によっては、引き返すこともありますという注意が流れていました。幸い、私たちの行く花巻空港はそんな注意を受けませんでしたが、乱れたダイヤにあおられて、出発が後回しにされてしまいました。離着陸機の少ない花巻空港は、少々遅れても降りられるだろうと判断されているらしいのです。

 

雲に覆われた伊丹空港を発ち、1時間余りで花巻上空へ。はっとしました。景色が美しいモノトーンなんです。つまり白い雪と黒っぽい家と木々。点在する屋敷の西側には、それぞれ数本、高い木があり風を防いでいます。西から強い季節風が吹く地方なんですね。飛行機ももちろん影響を受け、揺れます。着陸の難しい空港なのだそうで、そういえば、昨年夏に来たときもやはりよく揺れました。しかし、そのときと違い、今回の着陸はみごとなものでした。

 

気温は2度。風が強いので気温以上に寒く感じられます。うう。

 

イトーヨーカドー経由のバスで花巻駅へ移動。
仕事の時間までは間があるので、花巻市街を散策しました。
花巻といえば、宮沢賢治の生地でイメージの源。来る前に『銀河鉄道の夜』を読んできましたけど、それは置いといて、普通に街歩きします。

 

スタート地点の花巻駅は、南北に流れる北上川の刻んだ河岸段丘の先っぽにあるようで、その向こうの丘に花巻城跡、その間に旧市街地が伸びているようです。旧市街地は風を避けてうずくまっているようにも見えます。自然、私の好きな坂のある街です。地図上に表示されたくねくね道が気になって出かけてみると、この谷間を深く刻む大堰川という細流でした。プロムナードが整備されています。
丘の上から城跡の南にかけて、アーケードのある商店街が続いていました。ちょっとさびしい。

 

花巻の街の特徴を知ろうと思って、よく観察していたんですが、木造トタン葺き、白いペンキの下見板貼りの建物が気になったものの決定的な印象には至らず。もっとじっくり歩き回る必要がありそうです。

 

060330kura1それでも、気づいたのは花巻市は蔵に注目しているということ。さきほどのプロムナードの終点には、まちなかビジターセンターという大正時代の蔵を改造した観光案内・物販施設があります。お屋敷は取り壊されて蔵だけがこうして転用されています。また、宮沢賢治の生家の隣にはまた蔵を使った展示コーナーがあるそうです(冬季休業中)。

 

蔵もまた、強い風と風で拡がる火事への備えだったのでしょうか。用を越えて、蔵は華やかです。

 

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打ち合わせと宿泊は花巻温泉で、こちらにも蔵を利用したカフェがありました。

 

花巻温泉というのは、花巻駅の北西9kmの山際に大正7年から計画され、温泉・旅館・貸別荘・遊戯場・動物園・売店・住宅百数棟が、鉄道(大正14年開通)とともに整備された一大レジャー施設だそうです。
今は鉄道は廃され、自転車道になっています。

 

あいにくと出発前日に足をくじいてしまって、湯治も兼ねたような出張で、思うように歩き回れませんでしたが、飛行機から、車窓から、美しいモノトーンの風景が眺められました。残念ながら写真は撮れていません。
雪の降る地方は雪に備えた街をつくるのが第一の意識だと思います。雪の季節に意識が行っている分、雪の季節、モノトーンの中で眺めるのが一番きれいなのではないかと思えました。

 

 

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