唐戸の近代建築(下関市)
下関にはいくつか中心地があるのですが、唐戸地区は明治から大正にかけての中心地で、近代建築が比較的コンパクトに集まっています。
下関に渡ったついでに、前回見逃していた近代建築をまとめて見て回りました。
まず、旧不動貯蓄銀行下関支店(昭和9年)です。
銀行らしい建物ですが、角が丸っこいので柔らかい印象を受けます。
見逃せないのが山口銀行旧本店です。
もとは大正9年に竣工した三井銀行下関支店で、昭和19年に山口銀行本店となりました。
平成16年にしっかり保存修理が行われ、山口銀行創立時の姿に復原されているそうです。
設計者は日銀など銀行建築を多く手がける長野宇平治。
資料館のようになっていますので、ちょっと詳しく紹介します。
入り口を入ると玄関室があって、まず鮮やかなタイルが目を引きます。
内部は2階まで吹き抜けの大空間。
非常にきれいです。
しなっとカーブする階段。
ケヤキの美しい階段です。こちらは使えません。
もう一方の階段から上ります。
さきほどの階段ほどでもないですが、こちらも優美。使われているのは塩地という材らしいです。
2階から見下ろしてみます。
営業スペースも展示室となっています。
この建物はさりげなく耐震補強されています。
所々、仕切り板のように付いているのが耐震補強ですね。
白く塗られていて目立ちません。
この建物は石材も見所です。
こちらは白寒水石(白大理石)とのこと。
こちらはモザイク状の大理石。
常陸産の縞鼠石らしい。
修復への力の入り具合は相当なものです。
再び、港の方に戻っていきます。
川の護岸を見ると、カラフルな石積になっていました。
川を少し遡ると赤煉瓦の建物があります。
明治40年の旧宮崎商館です。「商館」という響きがよく似合う。
今はクリニックですが。
有名な近代建築の旧逓信省下関電信局電話課庁舎。
旧下関市庁舎第一別館のときに保存されて、今は田中絹代ぶんか館です。
中までは入る時間がありませんでした。
塔屋の放物線のアーチが特徴的です。
斬新すぎて古い建物と思ってもらえないところがあるようですが、細部を見てもかなりデザインに凝っています。
以上、ざっと駆け足で見逃していた近代建築を確認しました。
今回の門司・下関の旅行記事に関してはこのあたりにしておこうと思います。
実際には門司港レトロの建物も見たのですが、それはまたの機会に。
より大きな地図で 下関 を表示
<関連記事>
2007年3月の訪問時の記事です。
○ターミナル・ホテル −旧山陽ホテル ※2011年3月解体
○煉瓦煙突の銭湯 −紅葉湯 ※2007年3月解体
○昭和の下関(細江町周辺) −大洋船具ビルなど
○明治の下関 −唐戸の近代建築
○2つの旧英国領事館(下関と長崎) ○下関の石垣 ○見せる魚市場(唐戸)
| 固定リンク
| コメント (2)
| トラックバック (0)
最近のコメント