加賀石の里めぐり(7)滝ヶ原の石橋群
勢いで続けます。
小松市の滝ヶ原町では、滝ヶ原石という凝灰岩の石材が採れ、その石を使ったアーチ石橋群があるということで、見に行きました。
交通手段を調べたところ、滝ヶ原町に直接行くバスはなく、地図を見ると、那谷寺から低い峠越えの道を2kmほど歩けば着くということで、加賀周遊バス「キャン・バス」で那谷寺まで行き、そこから歩くことにしました。
実際、この写真ぐらい緩やかな峠で、「熊に注意」の看板さえ気にしなければ楽な道です。
訪問日:2017年5月5日
※今回の分も、カメラの設定がずれていて解像度が低いです。見づらくてすみません。
滝ヶ原町の谷に降りると、観光案内地図がありました。
滝ヶ原のアーチ石橋群はこの地域の観光の目玉なので、5つの石橋をめぐるウォーキングルート(約6km・3時間)というのが示されています。結果を先に言ってしまいますが、バスの時間の都合で、ルートを短縮して約1時間で回りました。
案内板の近くには、鞍掛山アーチ型石橋由来碑というものが建っています。つい最近立てられたものです。
目指す石橋はあの山の麓。
広い谷で、歩く道はほとんど平坦です。
川を覗いてみると、岩盤が露出しています。
見慣れた川の風景ではありません。
川に沿って歩いて行くと、さっそく最初の石橋、西山橋が現れました。
シダなどに覆われていて、見た目はきれいです。橋本体は見にくいですが。
橋を保護するためか、欄干は設置されていなくて、注意看板が置かれています。
上から見たら道路が川を渡っているだけに見えます。
横から眺めないといけません。
川の左岸を歩いて行くと、道の脇に石材が置かれているのが目に入りました。
この上に石切場跡があります。最後に紹介します。
我山橋に到着。
この橋が一番さりげないかもしれません。
よく見ないと見落としそうです。
我山橋が架かる川とは別の流れの川に残りの橋は架かっています。
丸竹橋は一番きれいに整えられた橋です。
かつ、平行して新しい橋が架かっていますので、よく観察できます。
この写真も隣の橋から撮りました。
アーチ部分は青い石、本体は赤っぽい石で組まれていて、コントラストがきれいです。
5橋の中でもこの橋がメインと言えるでしょう。
この橋の所に、小松市指定文化財「滝ヶ原アーチ石橋群」の説明板がありました。
解説を読むと、架橋年代は明治後期から昭和初期にかけて、地元石工により建設されたそうです。かつては11橋があったと書かれています。
先に進むと、石材店の看板がありました。
ここは現在も滝ヶ原石を採掘されている荒谷商店さんです。
東京のブルーボトルコーヒー品川カフェで、滝ヶ原石が使用されていると紹介されています。興味のある方はどうぞ。
道の脇に石材が積まれていて、滝ヶ原石を観察できます。
青みがかった上品な色合いですね。
また近くの「石の里水と緑のふれあい公園」には、小松市により「珠玉と石の里」滝ヶ原の案内板が立てられています。
さらに一番奥の東口橋に行きました。
省略しましたが、ここまでの石橋も橋名を記した柱が設置されています。
上から見るとこれだけ?という感じですが。
この橋は下に降りやすく、近くから観察できるのでお勧めです。なんならくぐることも可能。
5つの橋の中でも野性的な雰囲気。丸竹橋の看板にあった「壁石上部に方柱状の石を等間隔に突出させて地覆石を支える「貫石構造」を持つもの」の例になっています。
東口橋が一番奥なので引き返し、帰りに大門橋を見ました。
ここは隣の丸竹橋同様、整った橋です。
これで5つ全部回れました。
隣の菩提町にもう1つあるらしいですが、それは離れているのでまたの機会に。
帰り道、川の右岸を歩くと、西山石切場跡がよく見えます。
実際のスケール感は写真で見るよりもっと大きく感じられます。
この柱でよく支えていますね。
狭い地域に新旧の石切場と石橋が固まっているので、石を見に行くにはいい場所だと思います。
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