新潟さと歩き(12)松代の街道
夏の新潟旅行最終日、松代(まつだい)の街を歩きました。
小さな盆地にある宿場町です。
1997年に開業した北越急行ほくほく線のまつだい駅が、トンネルとトンネルの間で顔を出すように置かれています。大地の芸術祭では主要な拠点の一つです。
宿場町の通りは幹線道路に平行する道で、木造の建物が並んでいます。
雪おろしのためか、梯子が目立ちます。
この建物の梯子に乗っているのは、農業用防鳥テープで編まれた「金ん網」です。民話をモチーフにした山本麻世さんの作品。
木製桟の入れ方が凝っていて魅力的です。
この宿場町からさらに平行して、古道の松之山街道を示す看板があったので歩いてみました。
こんな風に集落の合間を縫っていく道です。
教えてもらわないと分かりません。
静かな散歩道です。
このあたりも融雪用の池があります。
再び宿場町の通りへ。
現代的な色使いのこの建物、元は松栄館という旅館だったのですが、ドイツ人のカール・ベンクスさんによるリノベーションで、多目的イベントスペースとなっています。
古民家にうまく付加価値を付けています。
カール・ベンクスさんは、ここだけでなく、あちこちで古民家再生をされているそうです。
大正6年、当時は田村旅館として営業していた姿の写真が掲げられています。
通りでは他にもリノベーションが行われていました。
カフェ&ドミトリーの「山の家」です。
芸術祭をきっかけにした動きですね。
ところで、集落を歩いていたときにびっくりしたもの。
ごみ(?)の当番表です。
同じ名前の方が多いのか、姓ではなく、屋号が40もずらりと並んでいます。
これを取り入れた作品もあって、このカラフルな板は、上に一軒一軒の屋号が記されています。
大地の芸術祭の会場は、宿場町とは反対側、まつだい駅の南側に固まっています。
駅を降りると出迎えてくれるのはやもり。
ぎょっとしますが、もちろん作品です。
草間彌生さんのシンボル的な作品、「花咲ける妻有」。
駅からも見えるので、とても目を引きます。
メイン会場のまつだい農舞台。
右手がお城のあった山で、山頂まで作品が点在しています。
私は半分までであきらめました。
近くには移築された民家のまつだい郷土資料館(旧室岡家住宅)もあります。
すごい厚みの梁でしょう?
また、これ以外に松之山地区も回ったのですが、作品を紹介するときりがないので、少しだけ紹介します。
マリーナ・アブラモヴィッチさんによる夢の家プロジェクトです。
古民家を改装した宿泊施設で、夢を見るための施設、ということになっています。
宿泊客は、窓に張られたフィルムによってそれぞれ違う色で満たされた部屋で、防護服のようなスーツを着て、箱の中で眠り、見た夢を書き留めていきます。
夢の記録は箱の中に入っているので、観客も読めるのですが、なかなか大変そう。
かなりじっくり回った今回の旅ですが、あまりに会場が広いので、それでもまだ一部。
しかし、廃校・古民家の活用や地元の関わりなど知ることができ、面白い体験がかなりできました。
次回もできれば。
帰りはお盆期間で復活していた急行きたぐにで大阪まで戻りました。
いつもながら長々とした記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。
また来年も新潟には行くつもりです。
<関連記事>
○新潟さと歩きシリーズ
(1)大地の芸術祭2012 (2)津南の木造工場など (3)十日町の木造工場 (4)囲うと溶かす (5)大地の芸術祭・十日町会場 (6)除雪車のダンス (7)文字通り小千谷 (8)土の学校 (9)眺める部屋 (10)絵本の学校 (11)泊まれる学校 (12)松代の街道(完)
より大きな地図で 越後妻有 を表示
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