四国みぎした旅行(28)むろと廃校水族館(高知県室戸市)
2023年GWの高知旅行のラストです。
実際はここが最初の訪問地でした。
ここまで読んでこられたら、いきなり華やかな場所で驚かれるかもしれません。
「むろと廃校水族館」と言って、ど真ん中とは言わないまでも観光地です。
室戸岬の東側にあり、前年の旅行の時は寄るかどうか迷ってパスした場所です。
本数の少ない路線バスの旅で、下車できる回数に限度がありますので。
訪問日:2023年5月1日
「廃校」と付いている通り、廃校をリノベーションした水族館です。
具体的には「室戸市立椎名小学校」でした。
椎名小学校は明治7年(1874年)に創設され、昭和5年(1930年)に現在地に移転しました。現在の校舎は昭和59年(1984年)完成ですが、平成13年(2001年)に休校してそのまま平成18年(2006年)に廃校となりました。
そして平成30年(2018年)にむろと廃校水族館としてオープンします。
小学校の建物を使ったというだけでなく、積極的に学校の要素を取り入れています。
例えば開閉館時間は始業・下校。
普通の教室も残してあります。
卒業生にとっては、かつて通った学校が廃校になったとはいえ、このように見て回れる状態であるというのは良いことかもしれません。
そうでなければ、解体されたり、鍵がかかって入れない場合もあるのですから。
展示の仕方もふるっています。
手洗い場を触れられる水槽にしています。黒板も活用。
かと思えば、跳び箱に水槽を仕込むという仕掛けも。
こちらはOHPを水槽に。
OHPとは何かという解説も書いてありました。
プロジェクターが普及するより前、原稿をスクリーンに投影する機械です。
(私は使ったことあります)
他にはAEDのケースも水槽になっていました。
今風の展示も。
これはクラゲではありません。ビニール袋です。
他にもルアーなど海洋ゴミを「生態」展示していました。
遊び心があちこちにあって、こちらはボラのエサをガチャガチャで売っているんですが、「花火で例えると線香花火のような風情です。迫力は求めないでください」とか書いてあります。
これは「飼育員らくらくシステム」という水槽の窓拭きを来場者にやってもらうシステム。
剥製コーナー。室戸の漁師は捕鯨やマグロ漁で世界の海に出かけた際、現地でお土産として剥製を買ったり、生体を捕獲して持ち帰ったりしたそうです。その意味で地域に根ざした展示です。ここには室戸市内の廃校から集められた剥製などが並べてありますが、個人宅にはカンガルーやコアラ、トラなどまであるそうです。ペンギンを飼っていた人もいたとか。
これは室戸高校の生徒が作った廃校水族館の歌。
「歌作りました!」と持ち込まれた歌をこうして展示するあたり、地域との関係の近さが出ています。
そもそも水族館に展示されている生き物は、主に近隣の椎名漁港・三津漁港・高岡漁港の3ヶ所の定置網にかかった生き物を持ち込んでいるそうです。
理科室には各種の標本。
図書室には魚介の資料などの他に、郷土資料もあります。
時間が余ったらここで調べ物ができます。
他にも保健室、音楽室などそれぞれに活用されていました。
昭和52年(1977年)に完成した屋外プールは、大水槽として使われています。
雨天の屋外用に懐かしい黄色い傘。
プールではウミガメが飼われています。
プールの隣には昭和53年(1978年)完成の体育館。
こちらはバックヤードの作業場所や保管場所として使われています。公開はされていません。
天井も高いですし、作業にはぴったりですね。
表の屋外にも展示があって、これは右から捕鯨砲、小型捕鯨三連銃、錨です。
地域の海の産業として展示されています。
これは室戸岬水産高校で使われていた練習艇です。
室戸岬水産高校は平成11年(1999年)3月末に他の二校とともに閉校され、合併して、土佐市に県立高知海洋高等学校として開設されています。
もう一つの廃校のものも受け継いでいる訳です。
軽い気持ちで立ち寄った場所ですが、地域に根ざした展示内容の水族館になっていて興味深く見学しました。
ちょっと普通の魚介の写真が少なかったかな。
フォルダを見返してもほとんど撮ってませんでした。
以上で四国みぎした旅行の高知編は終了です。
続きとして徳島編も予定していますが、その前にいくつか寄り道をします。
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「四国みぎした旅行(1)高知県境の町へ」 シリーズ最初の記事
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