水道施設だったニテコ池(兵庫県西宮市)
前回、前々回取り上げた越水浄水場に関連するニテコ池のお話です。
苦楽園駅から越水浄水場を目指すと、小さな尾根を越え、池の畔は通ることになります。
この池がニテコ池です。江戸時代から谷を堰き止めたため池だったようで(採土場の跡という話も)、上中下の3段に分かれています。
明治期の地図を見ても今とほとんど形は変わっていないように見えますので、そのまま利用したのでしょう。
武庫川水源地からの水を補完する目的で利用され、大正13年の越水浄水場2期工事において、水分川と剣崎谷の表流水をニテコ池に貯めての浄水が開始されたそうです。(参考:西宮市HP「水道施設の概要」)
(訪問日:2023年6月3日(下池)、2024年3月31日(上池・中池))
まずは上池から。
丸いコンクリートの筒が水面ぎりぎりに顔を出しています。
それと下流側の堰堤に管理用の橋が突き出しているのが見られるぐらいです。
もう少し近づいてみると、曲弦ワーレントラスというのか、美しいトラスの通路になっています。
このサイズで構造的にそんな凝ったことする必要があるのかと思いますが。
先端にはハンドルが付いていますので、ここで池の水を調整できるのでしょうか。
ここから上流側を見ると、甲山が見えます。
この甲山を借景とする眺めがニテコ池を特色づける景観になっているそうです。
次に中池です。ここには目立つ構造物が2つあります。
一つにはかわいらしい取水塔です。管理用の橋はさっきと同じタイプのアーチ。
丸い筒状の建物に丸い窓、ドーム状の屋根と丸が多用されています。昭和11年(1936年)に最初に作られたそうなのですが、見た感じは新しい。それもそのはず、阪神淡路大震災(平成7年(1995年))で壊れ、平成8年(1996年)に全く同じ形に復元されたのだそうです。
ただ取水自体は平成19年度(2007年度)で終了しています。
もう一つは下流側にあるこの施設です。
同様のトラス構造をしていて、同じく水量調整のための施設なのでしょうか。
続いて下池です。
ここから急にお天気になるのは、2023年の写真だから。
下池の下流側堰堤上は車道になっています。木々も多くて、上池・中池とはちょっと違った雰囲気。
ここには丸い屋根の施設が下流側にあります。
中池の取水塔をぐっと細く、シンプルにしたような、でも共通性も感じられるデザインです。
管理用の橋もアーチがなくてずっとシンプルです。
下池は細長い形をしています。
丸い屋根越しに、中池の取水塔や甲山が見えます。
こうしてみると丸い屋根も甲山に合わせていると見えなくもありません。
下池の東端には溢れた水を流す水路が作られています。
下流側から見るとこんな風になっています。古くは感じません。
堰堤も阪神淡路大震災で崩れたそうなので、その時に改修されたのでしょうか。
下池の堰堤の下はすぐ水田になっていました。
上水道の取水をしなくなったニテコ池は、江戸時代のため池に戻ったとも言えそうです。
西宮の上水道の歴史を伝える、眺めの良い散歩道としても親しまれているようです。
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