屋島ケーブル跡(香川県高松市)
2022年9月の屋島への旅行の続きです。
屋島山上の南の端にある屋島ケーブル屋島山上駅跡を訪ねました。
ここはこの時の旅行で一番見たかった場所です。
屋島山上駅跡も無人、駅前の土産物屋や食堂も無人です。「観光地の駅前」がセットで残っていて、昔の様子が想像できるだけに、全てが時間を止めていることに何ともいえない気持ちになります。
訪問日:2022年9月10日
旧屋島ケーブル屋島山上駅は、屋島登山鉄道のケーブルカーの駅として、昭和4(1929)年に建てられたものです。
長らく山上へのアクセスとして利用されてきましたが、ケーブルカーは2004年に運行を休止しました。(all YASHIMA「旧屋島ケーブル山上駅」)
建物には積層したようなデザインが多用されています。
こちらは西側。右奥に乗り場があります。
大きく丸く張り出した庇が印象的です。
ケーブルが動いていた時代の屋島山上案内図もありました。
ホテル甚五郎も描かれています。施設名や観光地名はプレートで貼り付けるようになっています。
ケーブルの乗り場付近。ロープが張られているので、これ以上は入れません。
レールの上は緑に覆われているようです。
向かって左側にある古い便所の跡。
屋島山上駅の看板が転がっています。
駅前は左手に「軽食と喫茶 旅の憩」というお店の跡がありました。
手荷物預所の文字もあります。
右手には土産物店の跡です。
コニカのフィルムや、「屋島」と書かれた提灯、一休さんの陶人形、石カエル、屋島下駄、瀬戸大橋土鈴、阿波踊り竹人形、万年カレンダーなど昔の土産物がそのまま残されています。
「探勝の第一歩・・
八百米の「ケーブルカー」は青松を縦断して一筋に屋島台上の急ぐ
いざや訪ねん源平興亡の跡。国立公園 瀬戸の美を。談古嶺に」
と書かれています。観光の目玉は「源平」と「瀬戸内海」だったのですね。
私はそのまま降りていく訳にいかず、帰りもまた遍路道を下って、途中から屋島神社に抜ける道に入りました。
山裾をたどっていくと旧屋島ケーブル屋島登山口駅跡にたどりつきました。
ここには車両2両が留め置かれています。駅舎は解体されました。
この車両はケーブルカーが戦後昭和25(1950)年に復活した際に作られたものだそうですので、絵葉書に出てくる車両とは異なります。
また塗装も廃止後に塗り直されています。
屋島ケーブルの看板。
屋島ケーブルの義経号を側面から。
乗車位置にはタイルで矢印が描かれていました。
扉が開放されているので、車内にも入ることができます。
車内には車両の部材なども置かれていました。
こちらは弁慶号。
軌道の滑車。
見上げると線路の先は草木で覆われ、見通せません。
駅の横には白い下身板張りの小さな建物がありました。
「変電室」の文字が見えます。
中を覗くと、変電施設が残っていました。
屋島登山口駅前は、この先にも線路を伸ばす計画があったためか、広い道となっていて、両側の旅館や店舗跡などがかつての賑わいをかすかに感じさせています。
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