大畠の路地(岡山県倉敷市)
山口県ではなくて、岡山県の大畠です。
2023年の年明け早々に訪ねた時のことを書きます。
この日、児島の観光案内所で電動自転車を借り、下津井を目指して下津井電鉄跡の自転車道を走っていました(この自転車道については別記事にします)。廃線跡は結構高いところを通っているので、海辺の大畠は通りません。
昔の空中写真を見た時、大きな集落である大畠が気になりました。
せっかく電動自転車なんだしと、道を外れ、海岸への坂道を下っていきました。
最初に入ったのが、この階段のある路地です。
階段の上にはお寺があり、路地の向こうに海が見えます。
集落の道は狭いので、邪魔にならない場所に自転車を停めて歩き始めました。
訪問日:2023年1月5日
階段のある路地。通りにはバッタリ床机(京都などで見られる、作り付けの畳める腰掛け)があります。
集落は2階建の住宅が建ち並んでいて、時にベランダが迫り出しているので、谷底を歩いているようです。
路地に水路をまたぐ石橋が架かっていました。
水路の分岐点にはたぶん水神さんなんでしょう、とてもかわいらしい祠が置かれていました。
細い道には蔵なども建っています。それほど多くはないのですが。
ハッとしたのはこのお風呂屋さん跡です。
既に営業はされていませんが、正月飾りがあって、管理されていることが分かります。
タイルにガラスに歯飾りなどと、あれこれ装飾的で中もきっとすごいはずととても気になります。
玄関上の型板ガラスの格子。
色付きのガラスもあり、模様もバラなど様々。
左上の等高線のような模様は初めて見た気がします。
輸入品でしょうか。
お風呂屋さんの建物は側面から見るとこうなっています。
この先で買い物帰りの地元のおばあさんに出会い、長い時間話し込むことになりました。
どうも最初私のことをお店の物件探しに来た人と思われたようです。
その方は長らく大阪に出ていて、昨年数十年ぶりに戻ってこられたそうで、昔のことなどいろいろ教えていただきました。
ここと海寄りにももう一軒お風呂屋さんがあったそうです。このお風呂は中が広かったというお話でした。
集落には洋風を感じさせる建物もあり、例えばこの建物です。
木製の上げ下げ窓が付いています。
敷地に合わせて曲げた建て方は船大工の手によるものでしょうか。
四角い2階建洋館付きの住宅もあります。
控えめながら、連続模様の装飾もあります。
2階からは海が見えたのでしょう。
大畠で中心性を感じたのはこの三角の小さな広場です。
井戸があり、よろず屋さんがあります。
逆の方向から。向こうが海です。
秤りは何用なんでしょうね。
よろず屋さんはもう一軒あり、こちらは生鮮品の野菜や果物を扱っています。
表通りにはいけすのある魚屋さんもありました。
基本的な食材は集落で買えるようです。
路地に置かれていたタイル張りシンク。
井戸は先ほどの三角広場以外にも何ヶ所か公共のものがあり、歴史を感じさせます。
集落最上部のこちらにも井戸があります。
覗き込むと金魚が泳いでいました。
集落の上の方には広場があります。
広場の一角に記念碑がありました。明治22年、大畠村・田ノ浦村が合併して長浜村が誕生し、初代村長の永山久平氏が当時の30円を寄付して、この地に長浜尋常小学校を設置したことが記されています。
集落の上の方まで行くと開けていて、車道も通っています。
瀬戸内の島々も眺められます。
海辺にも行ってみました。
この建物どこかで見たようなと思うと、『岡山懐古紀行』で紹介されていた映画館跡の一つでした。
県道沿いにある木造工場は昭和24年創業のユニフォームを作っている会社らしいです。
岬に向かう道から振り返ると大畠の集落と港が一望できました。
手前のクレーンは造船所です。中央右の人工島はガザミやクルマエビなどの中間育成施設らしいです。
いろいろお話を聴かせていただいたこともあり、下津井に行く前にかなり時間を使ってしまいましたが、下津井とはまた違った魅力のある集落でした。
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