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2024年5月25日 (土)

児島味野の近代建築など(岡山県倉敷市)

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倉敷駅でレンタサイクルを返した後、まだ日没まで時間がありましたので、児島の街(地名で言うとほぼ味野)を散策しました。
まずは下津井電鉄の児島駅跡のあたりに引き返します。

児島といえば、今はデニム・ジーンズの街として有名です。

繊維の町ですので、あちこちでノコギリ屋根の工場が見られます。

訪問日:2023年1月5日

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下津井電鉄跡に並行して北側に旧道が通っています。
旧道沿いの看板建築。

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建物はありませんが、古い門柱が残っていました。

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これもノコギリ屋根の工場。

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旧道を辿っていくと、庭園がありました。
看板が立っていて「野崎の記念碑」と書かれています。
解説によれば、この庭園は明治25年、野崎武左衛門の功徳を偲ぶ多くの人々により作られたものだそうです。

正面に見えるのが武左衛門翁旌徳碑(明治25年)。
石材は下津井沖の六口島六の谷から採石された花崗岩とのこと。設計者は土木技師の山田寅吉。
野崎武左衛門という人は、幕末の児島で塩田や新田を開き、塩田王と呼ばれた人物だそうです。
江戸時代までここから先、JR児島駅のあるあたりは海でした。そこを干拓していったわけです。

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庭園には一際高くそびえるビロウ樹。
野崎武吉郎(武左衛門の孫)が大正10年、知人からハワイ土産としてもらったものを植えたそうです。
ビロウ樹自体は九州・四国にも自生するようなのですが・・・

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かつてはここまで海水が来ていたという、庭園周囲の堀。

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旧道をさらに進むと変わった建物がありました。
旧片岡書店です。付け柱のコリント式円柱が華やか。

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さらに駒のような形で立ち上げて、書店の商標らしきものがあります。
デザインに楽譜が描かれているのは、楽譜も扱っていたのでしょうか。

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この旧道沿いには近代建築らしき建物が次々に現れます。
生地メーカーのアパレルブランドショップ、 BLUXE児島店。
看板建築のようです。

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旧安田銀行(のち富士銀行)児島支店。
いかにもな銀行建築。
今はWOMB BROCANTEというアンティークショップになっているようです。
この時は閉まっていましたが。お正月休み?
お店なのに看板とか取り付けていないのは、美意識なのでしょうか。

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Z-JEANSというアパレルショップの入っている看板建築。
尖頭アーチのような連続模様が付いています。
右隣も看板建築っぽい。

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ジーンズショップ「ダニア・ジャパン」の入る旧第一合同銀行味野支店。
ダニア・ジャパンというと以前、商船三井築港ビル(現中谷運輸築港ビル)に大阪店がありましたね。
こちらも近代建築だったことに感慨を覚えました。

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その向かいには旧野崎家住宅があります。
先ほど出てきた野崎武左衛門の建てた邸宅です。重要文化財。
野崎家や塩田についての展示がある公開施設ですが、残念ながら閉館時間を過ぎていました。
またの機会に。

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桃太郎ジーンズ味野本店は、旧味野郵便局。
陽も傾いてきたので、旧道歩きもこのあたりで引き返して駅に戻り始めました。

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旧野崎家別邸・迨暇堂(たいかどう)。
先ほどの野崎家の別邸です。本邸のすぐ近くにあります。
毎年ひな祭りの時期に公開されているみたい。

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大正橋。昭和7年頃に架設された2代目大正橋らしいです(初代は大正2年)。右隣に3代目の大正橋(昭和41年)もあります。(岡山デジタル大百科掲載の倉敷市立図書館回答より)

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名残惜しく、路地に入って行ったりします。
近代を感じさせるおたふく窓があちこちに付いています。

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3階建ての町屋も。表は散髪屋さんでした。

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これは新しいものですが、インパクトのあった建物。
屋根が太鼓橋になっているという斬新なデザインです。
旧瀬戸大橋架橋記念館(昭和63(1988)年)で、内部は改装されて児島市民交流センターの交流棟になっています。

外観のモデルは住吉神社の太鼓橋らしいです(設計者の上田篤オフィシャルサイトより)。

今回、児島の街並みはついでで、旧野崎家住宅には入れませんでしたし、東の方も回ってないので、改めて訪ねてみたいと思います。

<関連記事>
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 「下津井のアーケード」(岡山県倉敷市)
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