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2024年2月 3日 (土)

家康ゆかりの岡崎公園(愛知県岡崎市)

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岡崎のことを書いたので、この際、まだ書けていなかった岡崎の記事をまとめて書いておこうと思います。
2016年夏、あいちトリエンナーレの見学のため、会場の一つだった岡崎市を訪問しました。

岡崎公園は岡崎城址を公園としたものです。
岡崎城は徳川家康公の生まれた城として江戸時代は大切にされていましたが、明治になり、明治6、7年に取り壊されてしまいました。
この跡地に明治8年、岡崎公園が開園しました。

現在の天守閣は昭和35年(1960年)に復元されたものです。隣には昔から龍城神社があります。

訪問日:2016年8月14日

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岡崎公園の案内図。左が北です。
城は乙川と伊賀川が合流する場所にあり、細かく何重にも堀に囲まれています。
さらに西(この地図では下)にもっと大きな矢作川が流れています。

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岡崎公園の施設として注目されるのが公園碑です。
あちこちで◯◯公園碑を見てきましたが、「公園」としか書いていないのは初めてです。しかも「園」が大きいですね。
裏面の記載では、明治12年に設置されています。

岡崎公園はその後、大正6年に造園家の本多静六氏・田村剛氏の設計で改修計画が作られます。

参考:『岡崎城跡の整備基本計画-平成28年度改訂版- 資料編』p9 に図面を記載

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<昭和12年頃の岡崎市全図>

 昭和12年頃の岡崎公園には龍城神社の他に、市立図書館、県立岡崎病院、市下水道事務所が描かれています。

 県立病院(明治13年〜)と図書館(大正11年〜)はともに戦災で全焼し、戦後、県立病院は移転後、市に移管されて現在は「岡崎市民病院」、図書館も場所を変えて「岡崎市立中央図書館」となっています。

 参考:「岡崎市民病院の沿革」 、 『岡崎市の図書館概要』

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岡崎城は城の近くに船で着けるということで有名だったらしいです。
このあたりということで花崗岩の帆掛け船の石像と舟着場の碑が立っています。

向こうに見える水面が乙川です。

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その内側に龍城堀。

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手前が晴海堀で、向こうに見えるのが廊下橋。
元々屋根付きの橋だったそうです。
大正9年にこのような石のアーチ橋に架け替えられていて、これはこれで良いなと思います。

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天守閣の脇にある亀趺。碑文の頂部には宝珠を抱く龍が刻まれています。
東照公遺訓碑(昭和11年)で、横の解説によると岡崎銀行を創立した加藤賢次郎翁が寄贈したものだそうです。
翁は「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとく・・・」で始まる徳川家康公の遺訓を座右の銘としており、これを市民にも広めるために碑を製作したそうです。
岡崎は岡崎型狛犬で有名な石材加工の産地で、この石碑の施工は岡崎石工研究所長の池上年氏に依頼されたと書かれています。

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家康公ゆかりでは他に「産湯の井戸」があります。
この井戸の水を産湯に使ったという伝承があるようです。

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隣に「東照公産湯井」の屋根付きの碑も立っています。

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こちらはえな塚といって、家康公の胞衣を埋めた塚で、本丸南から移されたとのことです。

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ちょっと変わったところで「アラモの碑」(大正3年)

岡崎出身の地理学者・志賀重昂氏が、テキサス独立戦争のアラモの戦いと日本の長篠城の戦いで、ともに援兵を求めて脱出した青年の使命感がよく似ているとして感動し、アラモと岡崎にそれぞれ自作の漢詩を刻んだ碑を建てたそうです。

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また杉浦君銀蔵頌徳碑(大正11年)も志賀重昂氏の撰文です。
杉浦銀蔵氏(二代目)は明治17年に桑畑を開いて養蚕に取り組み、明治18年には織物工場、明治19年に洋瓦の製造工場、明治28年には水力発電所の工事に着手しましたが、電力事業がこれからという明治32年に亡くなったということで、その功績を顕彰する碑を建てたということです。

志賀重昂氏の関連史跡は東公園にもいくつかあります。

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公園内には飲食店、売店がいくつもあり、いつからとは分からないものの、明治期の公園らしいなと思います。
これは八千代本店といって田楽と菜飯の老舗。

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こちらは桜茶屋。他にもいくつかの店があります。

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昭和35年(1960年)に高野精密工業(現リコーエレメックス)が寄贈したという花時計。
年4回花の植え替えが続けられているそうで、昨年は初めて小学生対象にデザインの公募が行われたそうです。

 

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この花時計で気になったのが壁泉の吐水口。
古めかしいような気もするのですが、そうでもないでしょうか。
何かの再利用だったら面白いなと。

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岡崎公園の東にある多目的広場。
お城の時代は菅生曲輪で、公園になってからは運動場でした。

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多目的広場の階段状の観覧席。

公園内には他にも多様な施設や記念碑などが集積していて、消化するのは大変です。
まだ見落としているものがあるかもしれません。

 

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