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2024年2月26日 (月)

四国みぎした旅行(17)夜須の手結内港(高知県香南市)

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2023年GWの高知旅行の続きです。
ネットでも有名なこの風景を見に・・・ではなくて手結(てい)内港を見るため夜須駅で下車しました。

ただ日没も迫っていましたし、手持ち時間は次の列車が来るまでの30分ほどとしました。

ちなみにこの非日常的な道路は、手結港可動橋といって2002年に設置されたそうです。
船が通行するためにこうなっています。
夜間は上がりっぱなしで、昼間はだいたい1時間毎に上がったり(船通行可)、下りたり(車通行可)するそうです。

訪問日:2023年5月2日

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さて、まず向かったのは車窓から気になった夜須川に架かる橋です。

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この橋、やはり古くて、「昭和13年3月架設」と書かれています。
橋名は書かれていませんが、(旧)豊栄橋かと思います。
左岸側にぐぐっと広がる形や、親柱のクランク状に折れる溝がかっこよいデザインです。

向こうの街道筋も気になりますが、先を急ぎます。

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港が見えてきました。
ここは大正時代に完成した手結外港。それ以前の手結内港はあの可動橋の向こうです。

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港の防潮壁は古い石積みで味わいがあります。

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可動橋の向こう側は少し船溜まりになっていて、このさらに向こうが手結内港です。
なかなか奥が深い。右から山が迫っているので、そんなところに港があるの?と思い、焦りながら近づきました。

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港の入口に伸びる堤の上には常夜灯がありました。
これは灯台の役目をするものでしょう。
隣に金毘羅大権現を祀る石柱があります。

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これが手結内港のほぼ全景です。

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港の上には「野中兼山頌徳碑」が立っています。

野中兼山は江戸時代の初め、土佐藩・二代目藩主山内忠義に仕えた執政で、林業、治水、農地開発、港湾開発、漁業振興に腕をふるいました。
この手結港は明暦元年(1655年)に開削された日本最初の掘り込み港湾です。
平成に入ってその野中兼山が手掛けた原形の復元が行われ、平成9年に建てられたのがこの頌徳碑らしいです。(以上、現地の解説より)

詳しい技術的な解説は下記の記事などをご覧ください。
一般社団法人埋立浚渫協会HP「21世紀に伝えたい『港湾遺産』[No.10]高知・手結港(内港)」
 建設コンサルタンツ協会HP「土木遺産の香 第48回 江戸初期の築港技術を示す港湾遺産「手結港(内港)」」

私は、後に野中兼山が手掛けた津呂(後日記事にします)、室津の掘り込み港も見ましたが、ここは一番こじんまりとしていて、海面からの高さもそうありません。

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本来ならぐるっと港を一周していろんな角度から眺めたいところですが、なにぶん時間がないので(この時点で15分前)、帰路につきました。

港のどこかに大正3年の頌徳碑もあるはずです。

 

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帰りは別の道でということで周りを見ると、集落の向こうに放物線アーチのトンネルが見えました。
ちょっと気になるので寄ってみました。

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と現れたのがこの建物。入口が2つあるのでほぼ間違いなくお風呂屋さんです。
両手を広げるような印象的な姿です。

高知県の近代化遺産総合調査報告書では、昭和30年頃の林湯跡となっています。

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トンネルを近くから。いいカーブです。

ところでこれは何のトンネルかというと、上を通るのは実は土佐電気鉄道安芸線の廃線跡です。大正13年に後免(町)から手結まで。手結から安芸の区間は昭和5年にできて、昭和49年まで使われていたようです。

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現在はこのように高知安芸自転車道になっています。
これをたどれば絶対駅に着きますし、この道を通っていくことにしました。

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線路跡は高くなっていて、周囲がよく見えます。
この下見板張、白ペンキ塗りの建物が古そうで気になりました。
報告書には載ってないようですが。

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玄関周り。玄関庇の持ち送りも凝っています。

近づいている時間はないので、遠目に見ただけです。

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集落の中をカーブして楽しい道です。

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ネコが横断するのを待ったりもしつつ。

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夜須川も単独の橋で越えていきます。右上に鉄道、その右に国道の(新)豊栄橋が見えています。

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夜須駅に到着して無事列車に乗れました。
日が高ければもっとゆっくりしたいところでした。

こうして高知に向かったのですが、話としては翌日の芸西村和食に続きます。

<関連記事>
 「四国みぎした旅行(10)隆起する室津港」 同じく野中兼山が手掛けた室津港です

 「四国みぎした旅行(1)高知県境の町へ」 シリーズの最初

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