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2024年2月 9日 (金)

県立農業大学校から東公園へ(愛知県岡崎市)

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2017年5月、愛知県立農業大学校の追進館が2017年中に解体されるという中日新聞の報道を知り、岡崎市の美合(みあい)を訪ねました。
美合は岡崎市街の東の方にあり、最寄りは名鉄名古屋本線の美合駅です。
先に書いておくと、今も解体されたと聞かないので保留された状態のよう。計画が見直されたのなら良いのですが。

上の写真は追進館ではなく、同じ構内にある追進資料室(昭和16年)です。元は教室らしいです。
木々に囲まれた佇まいの美しいこと。(追記)※現存せず。スギヨシさんの情報によれば既に解体されたそうです(2024.2.12時点)

訪問日:2017年5月14日

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<岡崎市街全図(昭和12年頃)>

この当時は愛知県種畜場です。
愛知県立農業大学校は、農商務省愛知種馬所(明治43年)に始まり、愛知県種畜場(大正13年)を経て、昭和9年に追進農場として創設されました(土屋明彦氏「愛知県立農業大学校について」(『畜産の研究』63巻1号、2009年1月))

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現在の愛知県立農業大学校の案内図。
もちろん農地が広くて、総面積38.99haと書かれています。
追進館や資料室があるのは中心あたりです。

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林の中にはいろいろとモニュメントがあって、
例えばこれは「加藤正市君像」(昭和18年)です。
裏の説明によれば、彼は愛知県農林技師兼種畜場技師で、ここ追進農場において中堅農業青年を育成し、有畜農業を進めたそうなのですが、昭和5年に若くして亡くなり(46歳ぐらい)、そのことを悼んだ仲間が立てた碑のようです。

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こちらは「第九回実習生修了◯◯」と書かれた記念碑。
昭和九年三月二十六日と書かれています。

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こちらが追進館(昭和10年)です。
追進農場の講堂として建てられました。(2024.2.12現在現存(スギヨシさんより))

日本建築学会東海支部による「保存活用に関する要望書」(2017年)

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向こう側に玄関が張り出しています。

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窓から中の様子をうかがってみました。
しっかりした梁に支えられています。

中には貴賓室もあるとのこと。

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敷地の中央を貫く道の両側には木々が立派に育っています。
地図には「馬頭道」と表示されています。

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追進館を見た後は、歩いて東公園を目指しました。
ちょっと古そうな和風住宅。(2022年10月現存)
美合町平地

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段丘の緩やかな坂を下っていくとタカギ理容室。かっこいいフォントです。ウルトラマンっぽい。
タイルも油彩風のモザイクタイルが使われていました。(2022年10月現存)

この先で旧東海道と交差します。

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岡崎市立美合小学校の二宮尊徳像。美しいお顔です。
二宮尊徳の石像を昭和初期、全国に広めたのは岡崎の石工なんだそうです。
青銅製、備前焼製等とそれぞれに産地が広めていったのは興味深いです。

岡崎ルネサンス「岡崎発祥!石の二宮金次郎像オンパレード」

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その近く、美合消防団第三部の火の見櫓。(2023年6月現存)
「火の用心」の文字を金属板で切り抜いています。

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銘板を見ると昭和四年四月と書かれています。
製作は福岡町(JR岡崎駅の南、相見駅の近く)の矢藤鉄工所。今もあります。

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日露戦役忠魂之碑(明治38年)
東金山

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乙川に行き着きましたが、河原に馬!
どういうことで飼われている馬なのでしょうか。

国道1号線の乙川の橋を渡ります。

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しばらく旧東海道を歩いていくと少し脇道に入ったところにタイル張りの看板建築・近藤商店がありました。
たくさんある窓は木製サッシのモールガラスで、回転窓かと思われます。(2023年7月現存)
大平町中道

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しばらく歩くと東海道の大平一里塚。
片側の塚が残っています。

ここで右に折れて旧東海道と別れました。

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ここで小さな川を越えるのですが、昭和初期っぽいデザインの橋がありました。
橋名などは残っていません。
大平町天神前

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親柱の装飾といい、欄干の窓といい、アールデコのデザインが感じられます。

ここまで来ると東公園はあと1kmほどです。
次は東公園を取り上げます。

<関連記事>
 「岡崎旧市街西部の建物」(2016年8月)
 「岡崎旧市街中心部の建物」(2016年8月)
 「岡崎旧市街東部の建物」(2016年8月)
 「柱公園とその周辺の建物」(2023年8月)

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