高知の旅2018(10)沢田マンション
2018年GWの高知旅行、「(9)比島交通公園」の続きです。
以前から行ってみたかった沢田マンションに行ってみました。
高知駅からみて北東の薊野で山を背にして建っています。
上の写真はほぼ全景です。5階建て、一部6階建ての白い建物。
ここは建築好きの人にはかなり有名なセルフビルドの物件です。
私にとってのきっかけは『高知遺産』での紹介と、2006年大阪での「けんちくの手帖」というイベントでの紹介でした。
この建物は建築の専門ではない故沢田嘉農さんと裕江さんご夫妻が、1971年から自分たちで建設を始め、3工期に分けた工事で1985年にほぼ現在の規模になったそうです。上の写真で左(西)側から順に建てられていきました。第1工期の1階・6戸ができた1972年にもう入居者を入れながら工事を続けたというのがたくましい。残念ながら違法建築なので増築は行わないそうですが、改築は進められているようです。
沢田マンションは書籍になったり、テレビで取り上げられたり、もちろんネット記事になったりしていますので、詳しいことはそちらを見ていたければと思い、ここでは簡単に紹介します。
手元にある本は下記の2冊で、上の文章もこれを参照しました。沢田マンションの売店で買ったものです。
<参考>
・古庄弘枝著『沢田マンション物語』(2009年)
・加賀谷哲朗著『驚嘆!セルフビルド建築 沢田マンションの冒険』(2015年)
沢田マンションの東側から。東隣にも似た雰囲気の建物が建っています。
1階に展示されているのは発動機のコレクションでした。
「沢田マンション建設のきっかけとなった発動機」という説明があります。
1〜4階は住人の皆さんのスペースということで写真は禁止で、沢田さん一家の住む5階と屋上は撮影可というお話でしたので、写真はそこだけです。なお、1階にはカフェなども入っていました。
スロープで上まで上がれるようになっていて、車でも3階まで上がれます。
このドームの中は沢田家のリビングルームらしいです。
屋上には菜園や水田も。元々断熱のために土を乗せたそうなのですが、菜園や庭園として有効利用されています。
ちなみに上に伸びる柱は、まだ増築するつもりで伸ばしておかれたものです。
リフトで屋上まで物を上げられるようになっています。
手作りのクレーン。リフトのできる前、5階の製材所に木材を吊り上げていたそうです。
5階と屋上をつなぐ螺旋階段の通路。はりまや橋というそう。
屋上から見ると郊外ロードサイドの風景が広がっています。
5階に温室などもあります。
5階の庭園。
沢田マンションを構想して作り始めた嘉農さんが2003年に亡くなってもう20年が過ぎていますが、この建物が今も家族や住人によって住まわれ、手を加えられ続けていて、若い人が多く集まったり、遠くからも人が訪ねて来たりしているというのはすごいことだと思います。
<関連HP>
・沢田マンションHP
2018年の高知旅行の記事はひとまずここまでで終わりです。
この後、阿波池田・徳島経由で大阪に帰りました。
そして2023年の高知旅行の話に続きます。
<関連記事>
この続きは
・(16)高知市の東側を歩く 2023年の高知旅
高知の旅2018の最初は
・(1)近代の高知公園
四国みぎした旅行(2022年)の最初の記事は
・(1)高知県境の町へ
| 固定リンク
「建築」カテゴリの記事
- 野外博物館・四国村(香川県高松市)(2024.07.14)
- 屋島ケーブル跡(香川県高松市)(2024.06.24)
- 北白川の住宅地を歩く(京都市左京区)(2024.06.06)
- 岡ビルから南の建物(愛知県岡崎市)(2024.02.16)
- 六所神社の彫刻(愛知県岡崎市)(2024.02.11)
「国内旅行(高知)」カテゴリの記事
- 四国みぎした旅行(28)むろと廃校水族館(高知県室戸市)(2024.04.17)
- 四国みぎした旅行(27)津呂の白い町(高知県室戸市)(2024.04.15)
- 四国みぎした旅行(26)津呂の煉瓦塀(高知県室戸市)(2024.04.05)
- 四国みぎした旅行(25)津呂の港(高知県室戸市)(2024.04.04)
- 四国みぎした旅行(24)安田中心部を歩く(高知県安田町)(2024.03.28)
コメント