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2023年1月27日 (金)

四国みぎした旅行(5)室戸岬灯台(高知県室戸市)

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2022年GWの高知への旅行の続きです。

室戸岬の海岸を見た後、岬の丘の上にある室戸岬(ざき)灯台にも行ってみました。
写真で丘の天辺に見えている白いものが灯台で、標高は151mです。
右側の斜面を登っていくのですが、見ての通り、結構きついです。

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灯台への登り口。
「へんろ道」の指差し道標が立っています。
山上には四国八十八ヶ所の最御崎寺があり、灯台へはその遍路道を通らせていただくことになります。
四国ではこういうケースがよくあって、道が整備されているのがありがたいことです。

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登り口にはまた忠霊塔(昭和40年)がありました。
隣にあった共同墓地の戦没者のお墓を集約する形で建てられたそうです。

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登り口には、「一夜建立の岩屋」もあります。
解説板によると、空海が一夜で建立したと伝えられる岩屋。ここは現在、最御崎寺の奥の院となっています(奥の院と言いながら行きやすい)。明治初年まで女性の納経所はここにあり、本堂には登らなかったそうです。

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遍路道はこんな道です。曇り空だと一人で歩いていると心細くなるような道です。

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捻岩。空海が修行している時、その身を案じてご母堂が訪ねてきたところ、にわかに暴風雨となったので、空海が岩をねじって避難させたという伝承があります。遍路道を歩くと、このような伝承の場所が次々現れて退屈しないのがよくできているなと思います。

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息を切らしながら上がっていくと、灯台への迂回路の分岐に出ました。
灯台の表の道は工事で通れないので、裏門に続く迂回路が用意されていました。

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室戸岬灯台の裏門と石塀。これはこれで面白いアプローチです。

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「室戸埼燈台」という表札がかかっています。
「埼」の字を使うこともあるのですね。

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急にぱっと開けて灯台の敷地に出ます。

室戸岬灯台は、明治32年に点灯した歴史ある灯台です。

公益社団法人燈光会HPの室戸岬灯台の項によると、灯塔は鉄製で、建設には資材を帆船で岬の先端に運び、浜から山頂まで敷設したレールで蒸気機関によって運び上げたとのことです。

中央の石造の建物は吏員退息所(灯台職員の官舎、明治32年)で、右の小さな建物は倉庫です。
窓は板で塞がれていて入れません。

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かわいらしい倉庫です。

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灯台の特徴としては、灯台として日本最大級のレンズ(2.6m)を使っているということらしいです。
灯台には普段は入れませんが、毎年11月1日の灯台の日に近い土日に公開されているそうです。

室戸岬灯台について調べていると、
室戸市・室戸市教育委員会による「名勝室戸岬、天然記念物室戸岬 亜熱帯性樹林および海岸植物群落保存活用計画」(2019年3月)に比較的最近の状況が出ていました。その中でも「第3章(4)近現代施設及びその周辺」が私には興味深く、巻末資料に「灯台官舎図面」が載っています。昭和初期の写真を見ると、吏員退息所の玄関前には屋根が突出してポーチがあったのですね。

「この官舎は現在利用されていないが、灯台本体とともに景観上重要である。室戸市が所有者となり観光等への活用策が検討されているほか、国の登録有形文化財への登録に向けた取組も進められている。」と書かれています。

その後、令和2年6月には室戸市長と隈研吾氏がここを視察したり、今年に入っては、燈の守り人プロジェクトで室戸岬灯台が擬人化されて室戸市に贈呈式が行われたりと、これから賑わっていくのかなという動きがあります。

私が行った時は誰もいませんでした。

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排水路でしょうか。

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海に向かって石の階段が降りており、その先は植物に埋もれています。

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灯台の表側は工事中でした。

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ここまで来たので四国八十八ヶ所の最御崎寺にも立ち寄ります。
こちらは仁王門。

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大師堂(左)、鐘楼堂(右)、多宝塔(右奥)、本堂(正面奥)など様々なタイプの建物が立ち並んでいます。
時間が遅めだったためか、ほとんど参拝者はいませんでした。

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斑レイ岩で、叩くと鐘のような音がなるという鐘石。
丸い石の形に摩耗しているのは、多くの人の手によるものなのでしょうか。

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くわずいも。土地の人が芋を洗っていると弘法大師が通りがかり、その芋を乞うたところ「これは食えない芋だ」と言って与えなかったところ、本当に食べられなくなったという伝承があるそうです。こういう話もちょくちょくありますね。でも胃腸薬にはなるとか。

そろそろ薄暗くなってきたので、また室戸岬の海岸に下りました。

<関連記事>

 シリーズの最初の記事
 (1)高知県境の町へ

 

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