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2023年1月25日 (水)

四国みぎした旅行(3)白い街並みの白浜(高知県東洋町)

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2022年GWの高知への旅行の続きです。

甲浦を回った後、今度は西股の奥にある切通しの街道から白浜に戻りました(こちらが近道)。
途中、船越という地名があります。これは地震の津波で船が越えてきたという伝承から来ているようです。
白いペンキ塗りの洋風部分を持つ、気になる建物がありました。

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角に作られた窓。木製サッシの窓です。

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さらに家の前には低い煉瓦塀があり、菱形にSの刻印が確認できました。
これは栃木県の下野煉化(シモレン)の刻印のようです。なぜこんな所にと思いますが、翌日はずっと先の室戸でも見かけました。

(追記)「関西地方の煉瓦刻印」に四国産業の煉瓦刻印として、この菱形にSの刻印が掲載されています。地域的にもこちらの方が妥当だと考えますので、訂正いたします。(2023.5.27記)

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その向かいには甲浦小学校があり、門の前に二宮尊徳像が置かれていました。
外なので見やすくてありがたいです。台座のプレートには「昭和十二年六月建設」と書かれていましたが、タイル張りは明らかに新しいですし、銅像自体も金属供出を免れられたのか不明です。

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少し進むと古い石の門が現れます。
門の表面には「嗚呼日露大戦役」「陣亡烈士不朽碑」、裏面には「明治三十九年四月」などと書かれていました。

そして奥に見えるのは平和塔(昭和28年)。明らかに元々は日露戦役の戦没者記念碑のための場所です。
あるいは墓地だったのかも。

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この園内にはいくつもの石碑があり、例えば、こちらの「江藤新平・甲浦遭厄の標」(大正6年)があります。
江藤新平は佐賀の人で新政府に参画して司法制度を整備しますが、征韓論争に破れて下野、明治7年に佐賀の乱を起こし、敗れて土佐に逃れたものの、ここ甲浦で捕縛されて処刑されたということらしいです。「遭厄」という言葉に同情を感じます。

この園内には他に「忠魂碑」(昭和四年?)、「吉松先生墓碑銘」(大正九年)があります。
吉松先生というのは軍人の吉松正幹氏のことで、松山公会堂収容所で軍刀領置に抵抗していたロシア兵捕虜の説得に当たったというエピソードなどが見つかりました。碑文にも松山での話などが書かれているようです。

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さらに進むと白浜の集落を囲むように流れる小池川を越えます。
その橋に並んでコンクリートの重量感ある橋がありました。
昭和22年の空中写真では見えず、昭和43年の空中写真には写っています。

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白浜の街並みは街道に沿って直線的に伸びています。
それも白く塗られた建物をあちこちで見かけました。
白浜という地名に対応しているかのようです。

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これはブルーに塗られた窓の桟がおしゃれ。

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こちらの建物にも洋風を感じます。

甲浦と白浜はいろんな意味で対照的です。
曲線と直線、起伏と平坦。
こんな近くで全く違ったタイプの街歩きが楽しめます。

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またこんな建物もありました。
元々お店だったのでしょうか。ショーウィンドウのような部屋があり、それを今も活用されています。

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海洋町の街並みで紹介されているのが蔀帳(ぶっちょう)造りです。
京都のバッタリ床几と同じように見えますが、下から跳ね上げるだけでなくて、上からも蔀戸が下りてきて、雨戸となります。
徳島や香川でも見られるそうです。この先の旅程で、徳島県海陽町の鞆浦でも見かけました。

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白浜の集落にあった津波避難タワー。
この後、行く先々で見かけることになりました。

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気になったもの。甲浦中学校に置かれていた石柱。
橋脚とかでしょうか?

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土佐らしく、凝った鏝絵も見かけました。
鶴亀に松でしょうか。

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恵比須神社の鯛と七福神・宝船の鏝絵。

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白浜の集落と砂浜の間はこのように高い防風林でしっかり隔てられています。

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その名の通りの白浜の海岸ではハマヒルガオが咲いていました。

再び道の駅東洋町からバスで室戸岬を目指します

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 シリーズの最初の記事
 (1)高知県境の町へ

 

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