住吉大社門前の道(大阪市住之江区)
昨年のこと、大阪市住之江区の姫松温泉に行く途中、気になる建物を見かけました。ただ、夜中だったのでよく見えません。
住吉大社に続く道沿いにあるということで、他にも何かないか、後日、住吉大社から出発して歩いて行くことにしました。
スタートはここ住吉大社です。
訪問日:2019年12月8日
振り返って歩き出すとすぐ南海本線の住吉大社駅です。
高架駅をくぐって灯籠が続いています。
線路の向こうは住吉公園。
公園の中を真っ直ぐ参道が貫いていて、ここにも灯籠が並んでいます。
住吉公園については、以前記事にしたことがあります。
>「大阪で最初の住吉公園」2007.8.19
灯籠をのぞき込むとパイプが出ていて、もしかしてガス灯が仕込まれていたのでしょうか。
公園を抜けた所には、昭和49年に復元された住吉の高灯籠があります。
とはいえ、この場所ではなくて約200m西側にあったそうです。
元あった場所の近くに住吉高灯籠跡の石碑が建っています。
灯籠は江戸時代には既にあり、寛政年間(1789-1801)の摂津名所図会にも描かれているそうです。
明治まで度々改修を受けていましたが、戦後、台風被害により木造の上部を解体、基壇石積みも昭和47年に道路拡張により撤去されたと先ほどの説明板には書かれていました。
左のシャッターの影に石碑があり、現在の高灯籠は突き当たりに見える森の左手前です。
そのすぐ近くには「剣先船濱口村 立葭場請所 従是北四十五間」と書かれた天保3年の石碑があります。
ぴったりくっついて見えないので、ネットで確認しました。
このあたり、木津川と新大和川を連絡する十三軒堀川の船着き場があったようです。剣先船による物資輸送が主ですが、明治まで住吉詣での船も通っていたそうです。船で来た場合は、高灯籠のあたりから住吉大社に向かったのでしょうか。
この阪神高速の下が十三軒堀川です。
ここから先(左)は江戸時代の新田、近代の新しい市街地ということになります。
すぐにあるのが洋館付き住宅。
これは以前にも見たことがあります。
さらに行くと半分改修された長屋。
左側が古い形を留めています。換気口の形が面白いですね。
隣の建物を見ると同じ換気口が側面に付いています。
ここも元は一つながりの長屋だったのかもしれません。
これが確認したかった建物です。
戦前からある住宅らしいです。
丸窓のステンドグラスは外国の田園風景でしょうか。
その並びには洋館付き住宅。洋館部が白基調、和館部が黒基調の鮮やかなコントラストです。
その向かいには印刷工場の建物。
戦前とまではいいませんが、木製サッシで寄せ棟の屋根ですので、1950年代とか60年代ではあるかと思います。
門前の道に平行して住吉川が流れています。
川とはいいながら、大正10年の地図には「住吉浦」と表記されていますので、むしろ埋め立てられて残った海といった方がいいかもしれません。
住之江公園の近くの古い文化住宅。
以前、住之江公園を見に来たときに気になった建物がまだ残っていました。
住之江公園についても以前、記事にしています。
>「代わりにできた住之江公園」2012.6.1
この門前の道は新なにわ筋にぶつかって終わります。
門前と言えるのは旧高灯籠までにしても、その先の近代の住宅も参道を意識して飾っていたのかなとも思いました。
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