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2019年9月 1日 (日)

宇多津の波千鳥再訪(香川県宇多津町)

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今年の秋に「小さな千鳥展」を開催しようとしていることもあり、2013年に訪ねてとても気に入っていた波千鳥の瓦を見に、香川県の宇多津を再訪しました。宇多津は中世以来の港町でしたが、塩田が発達してその後市街化したため、海は遥か遠くになり、古来の町は古街と呼ばれています。

訪問日:2019年7月28日

波千鳥の瓦の家はその中にあります。

が、近づいて見てみるとなんだかおかしい。
波千鳥の瓦はありますが、真新しく銀色に光っているんです。
改修された?混乱しながら見ているとちょうど家の奧さんが出てこられました。

「この瓦を見に来たんです」とお伝えするといろいろ教えていただけました。
屋根の傷みがひどくなってきて、落下すると危険ということで、3年前に改修されたそうです。ただ、この波に千鳥の瓦はとても気に入っておられたので、費用はかかったけれど、全く同じ形で焼き直してもらったそうなんです。(元の瓦は処分されたとのこと・・・)

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この写真で2階の一番下の部分、端から端までですので、10mはあります。
なかなかそこまではしませんよね。

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2013年の様子。てっぺんにあった帆掛け船の瓦は降ろされました。
隅にあった戎・大黒の瓦はそのまま残されています。

新旧の波に千鳥の瓦を比較してみます。

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<2013年>

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<2019年>

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<2013年>

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<2019年>

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<2013年>

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<2019年>

オリジナルの方がやはり良いのではとは思いましたが、よく再現されています。

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また北側の波に鯉の瓦に

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南側の松の瓦も再現されています。

仕上がりが白っぽくなったのは予想外だったそうです。
年月を経れば落ち着いてくるでしょうか。

このお宅はこれでも分家で、明治20年頃に建てられたそうです。
見せていただいた資料によれば、問屋(肥料、醤油、味噌)を営んでいたとのこと。
大学の先生が訪ねてきたり、見学会が開催されたこともあるそうです。私も見せていただきましたが、石畳の敷かれた中庭があったり、モダンなデザインの家具があったり、2階から大戸が降りてくる仕掛けがあったりと、素敵なお宅でした。

突然の訪問にも関わらず、暖かく対応していただいてありがとうございました。

また、宇多津で前回見落としていたものも今回見ましたので紹介しておきます。

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竹薮のトラ。右手を挙げて威嚇する迫力ある姿です。
竹もタケノコが混ざっていたり、生き生きした表現です。

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同じ家の鷹の瓦。こちらも威嚇してきています。
松と竹も添えられています。

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こちらは別の家ですが、天女の瓦。
香川県の瓦は細工が見事です。
高見島の瓦を思い出しました。

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こちらは坂出で見たのと同タイプの面格子。

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出窓下の持ち送り。こちらは松・竹です。

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同じ出窓のもう一方には梅。
これで松竹梅になります。

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前回も見た新町水門(昭和30年)を越えて、今回は坂出まで歩くことにしました。
そんなに距離はありません。

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途中で見かけたお風呂屋さんの跡。
うっすら宇多津温泉の文字が見えます。

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少し寄り道したところにあった消防団の車庫。

千鳥の瓦については思わぬ結果でしたが、宇多津についてはまた今後も訪ねたいと思います。

 


より大きな地図で 瀬戸内国際芸術祭2013 を表示

 

<関連記事>
 日常旅行日記「夏の香川・島めぐり(11)宇多津の旧市街」
       「夏の香川・島めぐり(12)宇多津の波千鳥」
       「夏の香川・島めぐり(13)宇多津のディテール」
 以上、2013年の記事



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