富小路殿公園(京都市中京区)
昨年の2月のことですが、京都の富小路殿公園を見に行きました。
これも土井勉さんの「京都市の公園形成史-第二次大戦前まで-」(土木史研究、第11号、1991年6月)に、昭和12年の皇太子殿下御誕生記念公園のひとつとして紹介されているものです。
3381平米で、実習商業学校の跡地とのこと。
京都御所の南で、ほんとにまちなかです。
訪問日:2018年2月18日
裏側の入口に京都市立商業實修学校の跡地であることを示す案内板があります。
明治33年から昭和11年までこの地にあったのですね。
そして、昭和12年に公園が開園ということは、ちょうどタイミングが良かったということでしょう。
さて表に戻って、門柱には右からの文字で富小路殿公園と表示されています。
大理石に彫られているようですし、戦前のものでしょう。
薄い石を貼って、上に御影石の石材を乗せる形式です。
門柱から階段状に下がりながら、カーブして公園を縁取っています。
このあたりまで古いデザインを留めているのでしょう。
なんとなく、船岡山公園で見たデザインにも似ているように思います。
また、中央の藤棚周辺にも元々のデザインと思われる部分があります。
藤棚自体は新しいと思います。
中央のこれは、後ろに溝を切ってあるので、水関係、水飲み場か噴水と思われます。
児童公園なので、子ども用の水飲み場でしょうか。
藤棚の下にはベンチ。反対側にもあります。
これは古いのかどうか判断しにくいところ。
古そうな部分は以上です。
顔の付いた、ユニークな富士山型遊具。
顔に足をかけて登るようになっています。
さてここまで、あえて見てませんでしたが、敷地の北側境界には煉瓦塀があり、その向こうには教会があります。
京都ハリストス正教会生神女福音聖堂です。
案内板によれば、明治34年に建物は完成していたものの、ロシア正教会から寄附された聖障(イコノスタス)、教鐘、大燈明などの到着が遅れたので、オープンは明治36年だそうです。
京都市立商業實修学校とはほぼ同時期にできたのですね。
教会をバックに、開設時のデザインも残っていると思われるまちなかの公園。
貴重だと思います。
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