紀三井寺を知る(和歌山市)
このところラジオ塔づいています。
今度は紀三井寺に確認に行きました。
ここは昭和15年にラジオ塔が建てられた記録があるそうです。
紀三井寺の名前は昔からよく聞きますが、大きなお寺なのかなぐらいの認識しかありませんでした。
JRの紀三井寺駅を降りたときの印象は、思ったより静か。
もっと観光地っぽいのかと思っていました。
山沿いの旧道をたどろうと旧道に入ったところ、逆方向に「吉祥水」という案内板が立っていました。
関係ない(と最初は思った)のですが、湧き水などは好きなので、ちょっと寄り道。
階段を上っていきます。
するとそこには江戸時代1650年に紀州徳川家初代藩主頼宣公が整備させた水槽や銘刻、石樋、敷石等がありました。
知らなかったのですが、紀三井寺の三井は、同じ名草山麓にある吉祥水、清浄水、楊柳水の3つの井戸から来ているのですね。(ちなみに滋賀の三井寺は御井であって、3つではないらしいです)
それもずっとここにあったというものではなく、終戦前後の天災(1944年の昭和東南海地震や1946年の南海地震?)で土砂が崩落して埋没、昭和55年に周辺が宅地開発される際、有志が現地を確認して水槽を発掘、守る会が山内を探索して地下水脈を発見して導水したというドラマチックなことがあったそうです(案内板より)。
ここからの眺めは良く、和泉山脈まで見えています。
写真が小さいので分からないかもしれませんが、右手奥のボーリング場の左に和歌山城が見えています。
途中、道脇に巨石がごろごろしている旧道をたどっていくと、紀三井寺の門前に出ます。
急に観光地らしくなりました。
(これは帰りに撮った写真)
門前の灯籠の足元に紀三井寺村道路元標があります。
まさに中心。
紀三井寺の入口まではほぼ平坦で、ここから急に参道が立ち上がっています。
楼門が見えています。このあたりから、キョロキョロとラジオ塔の痕跡がないか探し始めます。
ある程度の広さがある広場なども確認。
楼門をくぐると、ここからいくつかの踊り場をはさみながらまっすぐの階段。
脇には見上げるような紀州青石の石垣です。
実際に見るともっと急な階段に見えます。
参道脇にあるのが三井の一つ、清浄水です。
もう一つの楊柳水には今回行けませんでした。
メインの階段は花崗岩かと思いますが、脇に紀州青石の階段もあります。
石垣と一体化して、どこまでも積み上がっていく紀州青石。
本堂前は舞台状になっていて、ここからは和歌浦が見えます。
ここで初めてこの場所の意味を知りました。
和歌浦が一望できるベストの場所なんですね。
いい水が出て、眺めが良い、場所ありきなのかも。
紀三井寺は、奈良時代の770年、唐僧の為光上人によって開基されたそうです。
西国三十三所観音霊場の第二番札所になっています。
本堂前の線香立て。
お寺の紋も、三つの井なんですね。
3体の鬼?が支えています。
100円払って、2002年に出来たばかりの新仏殿の3階廻廊に上がると、さらにさえぎるもののない景色が見られます。こちらは南の方。
北の本堂の方を見るとこんな感じです。
本堂前が広場になっていますでしょう。
ラジオ塔を置くとしたらこの広場のあたりかな。
新仏殿の当番をされている女性にラジオ塔のことを尋ねてみたところ、昔から門前に生まれ育った方だそうですが、記憶にないそうです。ただ、門前の土産物屋が並んでいる道で昔からラジオ体操をやっていて、今もやっていると教えていただきました。
ここまで上がってくるのは大変なので、門前の方が可能性が高いような気もします。
さらに土産物店の方々にも聞いてみました。
昭和20年代からここでラジオ体操はしていたけれど、ラジオ塔の記憶はないそうです。
今回も残念ながら見つけることはできませんでした。
ラジオ塔は置いておいて、さらに周辺を探索。
若宮八幡神社の忠魂碑。
ちょっとアールデコが入っている?
若宮八幡神社の参道に古そうな橋が架かっていました。
八幡橋という名前です。昭和○年と書かれていますが、肝心の何年かが読み取れません。
見たところ、セメントで補修しながら使い続けられているようです。
この川は水運に使われていたのか、所々、川に降りていくスロープがあります。
護岸が紀州青石なので、表情に味わいがあります。
この川に沿って歩いて行くと、JRの線路の向こう側に煉瓦の橋脚が見えます。
後で調べると、南海和歌山軌道線という市電が和歌山駅から和歌浦、紀三井寺、海南を結んでいて、この区間は明治44年にできたらしいので、その頃のものかと思います。今は自転車道になっているようです。
後で和歌浦まで足を伸ばしました。
正面の山裾に見えているのが紀三井寺です。
思ったほど高くはありません。
和歌浦と一体なのだというのがよく分かります。
和歌浦の方も歩いてみます。
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