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2018年12月23日 (日)

釧路湿原美術館を訪問(北海道釧路市)

181123kushiro_1_1 かなり久しぶりの更新になります。

 

11月の終わりに釧路に行ってきました。
釧路には2009年の6月に訪ねて以来、9年ぶりです。
目的は釧路湿原美術館を訪ねること。その経緯は後ほど触れます。

 

今年ピーチの関空ー釧路便が就航したのも大きなきっかけで、かなり行きやすくなりました。
本当は9月に行くはずだったのですが、台風の直撃を受けて延期、ようやくこの日を迎えました。

 

この日の大阪は風がありますがよいお天気。
LCCも初めて、第2ターミナルも初めて。いろいろ初めてです。
連休の初日ということで、ほぼ満席でした。

 

181123kushiro_1_2 大阪から岐阜・長野までは晴れ間がありましたが、そこから先は延々と曇り空で、青森の三沢を過ぎて、ようやく晴れてきました。
北海道の端、襟裳岬をかすめます。岬の先は見えず。

 

181123kushiro_1_3 大樹町のあたり。
一面の雪景色です。

 

181123kushiro_1_4 そして無事、たんちょう釧路空港に到着しました。
前回は列車で来ましたので、この空港は初めてです。
ここで現地のまあちゃんさんが迎えてくださいました。

 

181123kushiro_1_5 目的の釧路湿原美術館は、空港から市街地とは逆方向(阿寒湖の方)に向かいます。
途中、吹雪いてきて、やはり北海道だと感じさせられました。
数日前に初雪が降ったところだそうで、どうせ寒いのなら、雪が降っていた方が良いかもと前向きに考えました。

 

181123kushiro_1_6 釧路湿原美術館に到着。
(指が写っていてすみません)
美術館の高野理事長が迎えてくださいました。

 

181123kushiro_1_7 この釧路湿原美術館、館内を北緯43度線が通っていて、その線に沿って建物が設計されています。
かつて北緯43度美術館として、世界の北緯43度の地域の美術などを紹介していたようですが、閉館後、故佐々木栄松さんの作品を展示する美術館として再出発しています。

 

佐々木栄松さんは、大正2年、北海道の置戸町に生まれ、釧路で働いていました。
釧路の空襲で奥さんと幼い娘さんを亡くしています。
1960年代、50代の時に釣り竿を持って世界旅行に出かけ、帰国後、独自の作風を開花させたようです。
釣り師としても有名で、釧路湿原に釣りに出かけたり、絵を描き続けました。
開高健さんがイトウ釣りに来られた時に案内されたのも佐々木栄松さんだそうです。
孤高の画家として釧路に住み続け、2012年、98歳で亡くなりました。

 

晩年、身の回りのお世話をされていたのが理事長の高野範子さんなのですが、この作品群を散逸させてはならないとNPO法人を立ち上げ、2013年に開館したのが現在の釧路湿原美術館です。

 

美術館開館に当たって募金を募っているという話を、ブログのコメント欄でやりとりしていた、まあちゃんさんから聞き、私も少しだけご協力したことから、一度訪ねないとと思っていました。
開館から5年がたっており、かなり遅くなりました。

 

181123kushiro_1_8 作品を見ないと言葉では分からないと思います。
作品は撮影禁止だったので、代わりにこれを。
釧路湿原国立公園の三十周年で使われた釧路湿原の絵です。

 

非常に鮮やかで、赤、黒、青、黄、白といった色が入り混じりつつも、濁らない描かれ方をされています。
素直に美しいと思います。

 

作品を高野さんは丁寧に解説してくださいました。
まず、作品は釧路湿原を観察し尽くした知識(例えば丹頂はどう眠るのか、イトウはいつ浮かんでくるのか、どの季節にどの渡り鳥がいるのか、水辺にはどんな植物が生えているのかなど)をベースにしながらも、心象風景を描いていて、決して現実ではないこと。例えば、あえて丹頂の頭の赤を描かなかったり、いくつかの季節を混在させたり。

 

また、作品にはたびたび空襲で失った娘さんが、大人になった姿で描かれていたり、海外旅行で出会った人物が描きこまれていたりもします。
そしてどんな絵にもどこかに生き物が描かれているのが特徴だそうです。

 

ぱっと見た目にもきれいなのですが、解説を伺うことで、描かれているものの奥深さを知ることができました。

 

作品は大きなものが多く、引き込まれますので、皆さまもぜひ機会を作って見に行っていただければと思います。

 

181123kushiro_1_9 さて、ゆっくり見せていただいた後、外に出ると青空が覗き始めていました。
道東の冬は寒くても青空が続くのが特徴だそうです。

 

美術館の前にあるこれは、丹頂鶴を寄せるための餌場だそうです。

 

181123kushiro_1_10 館長の高野さん(旦那さん)に、電線の黄色いカバーは、丹頂鶴がぶつからないための目印ということを教えていただきました。

 

美術館の裏には、阿寒国際ツルセンタータンチョウ観察センターがあり、冬場の給餌場として、このあたりには冬になると多くのタンチョウが飛来します。

 

181123kushiro_1_11 この後、宿泊地の釧路へ。
途中、写真には収められませんでしたが、間近に数羽の丹頂鶴や鹿の群れを見ることができ、印象深い訪問になりました。

 

高野ご夫妻とまあちゃんさんには大変お世話になりました。

 

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 日常旅行日記「2006年の北海道旅行目次」

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コメント

おはようございます。あっという間もなく一か月が過ぎていますね。久しぶりのブログ更新に懐かしく思い出しています。美術館の中はあの時より華やかになっている様子はご覧になっていますか?

空港での最初の挨拶が「初めまして」と言うのも中々ありませんよね。高野ご夫妻も不思議がっていましたが、これからもコメントやらで繋がっていけたらと思っています。早速美術館へはブログ更新のことをお知らせしました。

本当にピーチ就航のおかげで、廿日市のお友達も又来年来てくれる予定です(三年前は確か岩国経由でした)一番の目的は(美術館の後)ぷくぷく館だと言っています。何でもご主人がお魚大好きだとか。結構有名になっているそうですね。

どうか良いお年をお迎えください。

投稿: まあちゃん | 2018年12月23日 (日) 11:28

まあちゃんさま、こんにちは。
あれからあっという間ですね。
釧路では大変お世話になりました。
行きやすくなって良かったです。

美術館はクリスマスの飾り付けですね。
いま見に行きました。

美術館へのご連絡ありがとうございます。

まあちゃんさまもよいお年をお迎えください。

投稿: びんみん | 2018年12月23日 (日) 23:28

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