京の夏の旅で住宅見学(京都市)
毎年季節ごとに開催されている京都の文化財特別公開イベント「京の夏の旅」で、住宅計3ヶ所を見学してきました。
今回、テーマが「学校に残る文化財」「お屋敷・庭園の美」ということです。
開催日時は、7月9日(土)〜9月30日(金) 10〜16時(並河家住宅は〜15時)
(和中庵のみ8月1日(月)〜23日(火))
入場料は1ヶ所600円です。
見に行かれるきっかけになるかどうか分かりませんが、簡単に紹介します。
個人的に気に入った順です。
■藤田家住宅
西陣の帯屋さんです。
上の写真で、手前側が明治期の東棟、奥が昭和期の西棟となっていて、今回の公開部分は西棟です。
この写真は洋室です。
全体に派手さはなく、目が慣れないうちは分からないのですが、解説をしてもらううちに段々すごさがみえてきます。
洋室から3階までの吹き抜け、数寄屋の座敷を通って中庭まで、夏のしつらえということで簾戸やすだれで仕切られています。風は完全に通しつつ、視線や光はコントロールされているようです。
畳の目の細かさ、簾戸の彩色、各部の材の吟味、引手の遊びなど、教えてもらって初めて気付くことが多々ありました。
非常に京都らしい建物だと思います。
何より、この場で夏の風を感じないと伝わりません。
地下鉄今出川駅から徒歩15分ですので、アクセスは便利です。
平安女学院有栖館までも25分で歩けます(今の季節はちょっと辛いけど)。
■ノートルダム女学院中学高等学校 和中庵
元々はスキー毛糸の共同毛糸紡績を創業した藤井彦四郎が、大正15年から昭和3年にかけて建設したお屋敷だそうです。
戦後、土地建物はアメリカから来日したノートルダム修道女会に売却され、修道院となりました。
その際、内装は修道院らしい質素なものに作り替えられたそうです。
シスターが高齢化したことで修道院としての役割を終えた後、和風の主屋は取り壊されましたが、洋館・奥座敷・蔵・茶室は、改修工事が施されて、2015年に完成、今回の公開に至ったとのことです。
戦後に改変されたとはいえ、洋館は各所に愛らしい装飾があり、バラの装飾が入った暖炉、天井飾り、床の寄木細工など楽しめました。
谷をまたぐ渡り廊下でつながる奥座敷は眺めが良く、とくにこの書斎みたいな場所は、ぜひここで過ごしてみたいと思える部屋でした(ここは入れません)。
私は今回、京阪・神宮丸太町駅から和中庵まで歩きましたが、結構遠いので、素直にバスを使った方が良さそうです。
この和中庵のみ、8月23日(火)で公開が終わりますのでご注意ください。
■平安女学院大学 有栖館
幕末に有栖川宮別邸として建設されたものらしいのですが、完成した時には明治を迎え、宮家は東京に移るということで、結局、京都地方裁判所所長宿舎の一部として移築されてからの期間が長かったようです。
2007年に平安女学院の所有となり、保存されています。
庭園は2009年に十一代小川治兵衛氏により作庭されていて、座敷からの眺めが良いですが、建物としてはシンプルかなあと思いました。手前の板張り部分は能舞台としても使用できるようになっているそうです。
地下鉄・丸太町駅から徒歩2分なのでアクセスは便利です。
このほか、並河家住宅 並河靖之七宝記念館も公開されていますが、ここは春・秋に一般公開されています。観光協会に公開部分が違うのかどうか問い合わせたところ、「今回は解説がつくのが違い」とのことでしたので、春秋にゆっくり見た方が良いかなと思い、パスしました。
<参考サイト>
第41回「京の夏の旅」公式HP
<関連記事>
「有鄰館 日本館の公開」(2015年の京の夏の旅)
「島原の輪違屋」(2014年の京の夏の旅)
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コメント
びんみん様
はじめまして。
突然のコメント失礼いたします。トリップノート編集部と申します。
ブログを拝見し、コメントを残させていただいております。
過去に遡って記事を拝見させていただいたのですが、街歩きや旅行がお好きなんですね。
気になったことはきちんと調べておられて、ラジオ塔の話題など感心するものばかりでした。関連記事を載せていらっしゃる部分もとても分かりやすいですね。写真も豊富で楽しく読ませていただきました。
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■トラベルライター募集ページ
https://tripnote.jp/minna
投稿: トリップノート編集部 | 2016年9月15日 (木) 19:45
トリップノート編集部様
お返事が遅くなりましてすみません。
お声がけいただいてありがとうございます。
とてもありがたいのですが、まずはブログの更新をきちんとすることからかなと考えています。
この機会を励みに発信していきたいと思います。
投稿: びんみん | 2016年9月19日 (月) 22:48