日牟禮八幡宮の仙人彫刻(滋賀県近江八幡市)
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写真撮影は2014年10月。
日牟禮(ひむれ)八幡宮の楼門には、前回紹介した動物彫刻の他に、各面2人、計8人の仙人の彫刻があります。八仙ということになりますが、中国の八仙とはメンバーが異なり、日本人の好みが加味されているようです。
正面右側の彫刻から時計回りに紹介していきます。
まず蝦蟇仙人。
これは分かりやすいです。
蝦蟇と親しげに語り合っています。
亀の欄間をはさんで、亀仙人(黄安仙人)。
亀の背に乗り、穏やかな顔で巻物を広げています。
船に乗り疾走する仙人。
はためく衣、逆巻く波にスピード感があります。
これは芭蕉扇を持っているので、鍾離権でしょうか。
鍾離権は、死者を蘇らせることができたそうです。
その隣は李鉄拐。
杖を突き、口から魂を吹きだしています。
お決まりの表現らしいのですが、小さな分身を飛び出させている表現が面白いです。
李鉄拐は、魂を遊離させて出かけている間に身体を焼かれてしまい、仕方なく、近くにあった杖をついた物乞いの死体を借りたのでこの姿になっているそうです。
後ろに回って、鶴に乗った王子喬(鶴仙人)。
巻物を広げ、旋回するところが描かれています。
笙の名手だそうですが、笙は描かれていません。
鯉の欄間を挟んで、琴高仙人(鯉仙人)。
手に巻物を掲げ、鯉の背に乗って今にも水中から飛び上がろうとする瞬間のようです。
琴の名手だそうですが、琴は描かれていません。
亀の欄間の左に亀仙人、鯉の欄間の左に鯉仙人と、並びが考えられています。
最後の面は、剣を振るう呂洞賓のようです。
松の木の向こうに3匹の動物(ネズミに見える)が顔を出しています。これを払おうとしているのでしょうか。
犬が呂洞賓を噛むということわざがあるそうですが、犬には見えないのでどうなんでしょう。
最後に瓢箪から駒を出す張果老。
実際はロバだそうです。
ロバに乗って移動するのですが、休むときにはロバを小さくして瓢箪に入れていたそうです。
全体として躍動感のある表現で場面が捉えられていて、見応えがあると思います。
近江八幡にお出かけの際にはぜひご覧下さい。
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