有鄰館 日本館の公開(京都市)
文化財特別公開イベント「京の夏の旅」で、京都の岡崎にある藤井有鄰館の日本館(第二館)が公開されています。
この「有鄰館 日本館」だけ、公開期間が7月24日(金)までと短いのでお気を付け下さい。
入館料は600円です。
日本で最古の私立美術館という藤井有鄰館第一館(大正15年)は、以前訪ねたことがあります。
第二館もその時、入っているのですが、あまり印象に残っていないのは、入れる部分が限定されていたからでしょうか。
→日常旅行日記「中国趣味の藤井有鄰館」
内部の撮影は禁止でしたので、文章だけでお伝えします。
解説によると、有鄰館 第二館は、明治末から大正初めにかけて、フランス人の設計により、金沢で横山男爵邸として建設されました。2階建ての木造建築で、アールヌーヴォー、アールデコの様式が各所に使われています。京都にはその一部が昭和3年に移築されました。昭和天皇の即位御大典にあたり、犬養毅元首相が滞在するなど、京都では、いわばゲストハウスとして使われていたようです。
玄関を入ると2階まで吹き抜けの階段ホールになっています。
階段の親柱などはアールデコっぽいデザイン。
食堂ではボランティアガイドの方が解説をされていました。
各部屋にあるニスを重ね塗りした板や大理石の暖炉は古さを感じさせません。
突き当たりにあるトンボの間は、トンボと桔梗(?)のデザインで埋め尽くされています。とくに寄木細工で、床、壁、天井まで作られていて、その精巧さは見事です。天井の一部に寄木が外れているところがあり、厚みなど確認できました。2cmぐらいかな。壁にはトンボの刺繍も全体に施されています。
解説の方は桔梗のデザインですと言われたのですが、特徴的なプロペラ状の種のデザインが入っているので、カエデかもしれません。フランス人ですし、秋のモチーフなので矛盾はないです。
2階に上がると犬養毅元首相が滞在した部屋や大きな仏間があります。
仏間は洋風の部屋なのに、どーんと大きな仏像があって驚きます。家庭の仏間というより、お寺の本堂です。
あちこちに装飾があって楽しめるのですが、惜しいのは一部の部屋(貴賓室など)が非公開だったのと、部屋も廊下も至る所に展示ケースが並んでいたことです。一級品の展示物の数々なので、それはそれで貴重なのですが。
京都の観光協会の方が長年お願いしてやっと公開されたということですので、機会ありましたらぜひご覧ください。
こちらが美術館である藤井有鄰館 第一館です。
日本館はこの裏側にあります。
<関連サイト>
「京の夏の旅2015」
「藤井有鄰館公式HP」
<関連記事>
「中国趣味の藤井有鄰館」
「博覧会跡の岡崎公園」
「島原の輪違屋」(2014年の公開文化財)
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