道徳公園のクジラ像(名古屋市南区)
昨年の7月、名古屋の道徳公園にクジラ像を見に行きました。
これです。
実はとても古くて、できたのは昭和2年。
作者は、後藤鍬五郎という人です。
前回の記事で、東昌寺に残された観音像の作者でもあります。
名古屋市の認定地域建造物資産の第25号であり、
「夢なごや400」事業で、名古屋市民によりグランプリの「どえりゃあ大賞」に選ばれたそうです。
なので、一部では有名な像らしい。
>名古屋市HP「道徳公園クジラ像」
目が怖い。
浮世絵に描かれるようなクジラです。
後ろから。
水はありませんが、クジラの周辺は池になっています。
クジラの頭に穴があり、以前は噴水になっていたようです。
子供たちに人気で、なかなか撮影できませんでした。
本物の池との間に石橋が架かっています。古そう。
園内に道徳公園についての解説板があります。
道徳公園も歴史が古くて、名古屋市の公園としては昭和16年開園ですが、昭和6年の豊田土地区画整理事業で整備されました。ということは、クジラ像はそれ以前からあったのですね。ここにあった映画のマキノ中部撮影所の関連らしいです。何かの映画に使われたのでしょうか。
さらに裏面にも解説。
江戸時代に干拓されたという歴史から、大正14年の名古屋桟橋倉庫株式会社による開発、マキノ中部撮影所、前回記事で紹介した道徳観音山や泉楽園のことまで説明されています。
「大名古屋市街全図」、昭和11年 より拡大
※クリックすると拡大します
前回の地図をもう一度リンクしておきます。
撮影所と一体的に描かれています。
黎明池(今の月見池)は公園の外になってますね。
公園の中に頌徳碑があり、ここにも地域の歴史が記されています。
江戸時代に鷲尾善吉という人が新田を開拓したのですが、風水害でとても苦労されたらしい。
碑文全文を載せておきます。
頌徳碑
文政四年鷲尾善吉翁道徳前新田開築 翁の子孫安一郎氏・廣政氏を迎え、除幕の式を行う |
公園の門柱ももしかしたら古い?
確実に開園当初からあるのは、この月見池(黎明池)です。
北側から。
南から見た月見池(黎明池)。
マキノ撮影所により、この池で映画「実録忠臣蔵」のシーンも撮影されたとか。
他にも気になるものを紹介していきます。
グラウンドに面する台。
凝灰岩っぽいもので、かなり風化しています。
国旗掲揚台の台座らしきもの。
公園には定番のフジ棚もあります。
支える柱にリベットが使われています。
最後に60〜70年代風な公衆トイレ。
アールの効いたデザインで良いです。
道徳公園は、名古屋市営の公園でありながら、撮影所の名残がある楽しい公園です。
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「名古屋のレジャーランド跡・道徳」
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コメント
びんみんさん、こんにちは。公園と言えば、今では様変わりかも知れませんが、子供たちが集まる場所・・・しかし、「こわい!」の一言のくじらの眼。随分昔からあるようですが、どなたさんの手によるものか?情けないけど、怖くってさかのぼれません。
投稿: まあちゃん | 2015年3月28日 (土) 12:02
まあちゃんさま、こんばんは。
この公園は今でも子供たちが集まっていました。
このクジラ像の作者は、後藤鍬五郎という方で、コンクリートで仏像などを作られていたようですよ。
私はよく知らないのですが。
投稿: びんみん | 2015年3月29日 (日) 00:49
噴水では無く、ベンチ横の水道コックをひねると潮をだせるんですよ
投稿: まぁ | 2017年12月20日 (水) 01:42
まぁさん、こんにちは。
そこで操作できるんですね!ありがとうございます。
投稿: びんみん | 2017年12月23日 (土) 10:40