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2015年2月 8日 (日)

旧鐘紡社宅と迎賓館(高砂市)

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高砂市の木造市営住宅を巡った後、高砂の街に戦前の旧鐘淵紡績社宅が残っているとのことで見に行ってきました。旧市街からやや西に外れるので、ここを目的にしないとたどりつかないと思います。
赤い屋根の戸建て住宅が整然と並んでいるので、一目瞭然です。

鐘淵紡績の高砂工場の創業は明治41年。
社宅が建設されたのは昭和11年で、終戦直後にあった一戸建て社宅12棟のうち11棟が残っています。壁面がサイディングになったり、サッシを変えたりしているので、そんなに古そうには見えません。
恐らく幹部向けの住宅で、その周囲には長屋の一般社員向けの社宅が連なっていましたが、そちらはなくなっています。

1947年の米軍撮影写真(国土地理院)

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グラウンドをはさんで、南側には大きめの社宅。

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北側には小さめの社宅が並んでいます。
役職の違いでしょうか。

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こちらは小さい方の社宅です。
といっても十分大きいですが。

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未舗装の道路をはさんで板塀が続き、庭の松が枝を伸ばしていて、風情があります。

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大きめの社宅の間にも未舗装の道路。

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ちょっと横長なのが分かりますでしょう?
今は関連会社のカネカ社宅になっています。

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敷地の南側、工場との間には、同じ昭和11年に迎賓施設として建てられた出汐館が残っています。
階段室にアールの入ったモダンなデザインです。
今はカネカのクラブになっています。

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周囲を囲む柵も、柱がアーチになっています。

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出汐館の裏側から。
出窓が傾けてあるのがおしゃれな感じです。

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出汐館に連なる長屋は、戦後すぐの空中写真には写っていないので、戦後のものかも。

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西側に工場の浄水施設があって、この建物もそこそこ古そうです。

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大きな道路をはさんで現在はカネカの工場と社宅。
電信柱がミニ鉄塔です。

このように工場、社宅、迎賓施設が一体となって残っているのは貴重だと思います。

<関連記事>
 インデックス「近代の郊外住宅地と別荘地、社宅」
 「新居浜の山田社宅」(2009年10月)
 「加古川のニッケ社宅街」(2012年2月)

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コメント

びんみんさん、こんにちは!今までいくつかの社宅を目にする機会がありましたが、その当時に2階建ての社宅って珍しいと思うのですが、いかがですか?相当経営状態が良かったと素人は考えます。それにしても立派な迎賓施設ですね。

鐘紡の歴史も調べてしまいました。以前カネボウのある化粧品を使っていた時期があり、そう言えば・・・なくなった?って。クラシエホールディングスに変わっていたのですね。あの化粧品は過去の歴史になってしまっていたのでした。ついでですが、私の云十年愛用のオーデコロンも数年前に製造中止になったらしく、どこを調べても見当たらず、残った1本の3/2を見ては寂しい思いをしています。

日本中定まらないお天気ですので、どうかご自愛ください。

投稿: まあちゃん | 2015年2月10日 (火) 11:48

まあちゃんさま、こんばんは。
1戸建ての社宅では2階建ては珍しいでしょうか。
会社の勢いを感じさせますね。

カネボウは私も化粧品のイメージが強い気がします。
馴染んでいたものがなくなるというのは寂しいですね。

投稿: びんみん | 2015年2月11日 (水) 02:07

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