上野芝向ヶ丘住宅地・後編(堺市西区)
上野芝向ヶ丘住宅地(昭和5年から開発)の探訪の続きです。
住宅地とは思えないような写真ですが、これは住宅地内にある池です。
<堺市及其ノ附近図(昭和13年)に加筆> 再掲
※クリックすると拡大します
もう一度地図を確認します。
住宅地は北に開けた小さな谷の両斜面を開発しています。
池はもともと谷を堰き止めたため池だったことが分かります。
池の周辺は、こういう住宅地を見るときのポイントになると思っています。
向ヶ丘住宅地の場合、かなり水面との高低差があり、眺望を活かした住宅が建てられているようでした。
ここには和風住宅が建っています。
池の周囲を歩きます。
きっちり張られた石垣と高い生け垣が見事。
モダンな洋館付き住宅もあります。
ちょっと分かりにくいですが、スパニッシュの要素のある住宅、H邸です。
同じ住宅を別の角度から。
スパニッシュの煙突。
同じ住宅ですが、勝手口(池の側)が長い階段になっていて、門柱や手すりに味がありました。
池の側を離れて、住宅地の西側を歩きます。
建物がないのですが、タイル張りの門柱だけが残っていました。
蔵のある大きなお屋敷もあります。
2軒長屋。
この住宅地では長屋はほとんどありません。
これも分かりにくいですが、洋館付き住宅です。
戦前〜昭和30年代っぽい住宅。
私は向ヶ丘住宅地を入口から時計回りに回ったので、最後に大物がありました。
入口のすぐ西側にあるT邸です。洋風要素の入ったいくつもの建物で構成された住宅です。
玄関周りは幾何学的な桟や丸窓などの要素があります。
角の2階建ての建物にも要所に丸窓が配されています。
この右側は傾斜面になっていて、立体的な敷地です。
T邸のある道を降りていくと階段があって、その脇にこれもスパニッシュ風のO邸があります。
ドイツ風の壁といい、階段といい、上野芝方面の眺めといい、郊外住宅地らしい良さが残っています。
階段脇の玄関。塀の中に埋め込まれたデザインが面白い。
門は和風です。
そして正面玄関。
奥行き方向に斜面を使って建てていて、正面よりもむしろ側面に面白みがありました。
これで向ヶ丘住宅地を一周回りました。
全ての道を歩いていないので、もう少し見落としもあるかもしれません。
前にひろさんが歩かれた時から主要な住宅がなくなっていますが、まだ郊外住宅地の面影を残す住宅はたくさん残っていました。
<関連ブログ>
ひろの東本西走
「堺市・上野芝探訪ー4」
「堺市・上野芝探訪ー5」
MANAZOUの近代建築・看板建築・レトロ探訪
「大阪府堺市上野芝探訪その2」
<関連記事>
日常旅行日記「上野芝向ヶ丘住宅地・前編」(2014年)
「上野芝住宅地」(2012年)
「霞ヶ丘住宅地」(2012年)
インデックス「近代の郊外住宅地と別荘地、社宅」
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コメント
びんみんさん、こんばんは。
知らない建物が2軒あります。
びんみんさんの地図を参考に
また今度行ってみようかなぁ~
投稿: MANAZOU | 2014年7月12日 (土) 21:33
MANAZOUさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
知らない建物がありましたか。
地図にプロットできていない建物もありますが、機会ありましたら。
投稿: びんみん | 2014年7月13日 (日) 02:14
O邸とT邸、凄いですよね。
喫茶店の裏手にあたるので、よく見にいってました。
特に個人的にT邸がなんか好きなんですよねぇ。少し荒れているのが気になるのですが。
廃な感じも含めて好きだったり…(苦笑)
前回紹介されてなかったので、
きっと後編で紹介されるに違いないと思って楽しみにしておりました。
それにしても、住宅地一周って凄いですね!自分もよくぷらぷらしてましたが、
ここらへん、坂がかなりきつくて結構大変ですよね。
投稿: 蜥蜴 | 2014年7月14日 (月) 11:02
蜥蜴さま、コメントありがとうございます。
さすがにご存じですね。
T邸がお好きですか。奥がどうなっているのか気になります。
住宅地一周、割とします。
ここという住宅地だと、見逃したくないので、折り返し折り返しで1本ごと通りを確認したりしてます。
投稿: びんみん | 2014年7月15日 (火) 02:11
こんにちは、またお邪魔します。
どの家とは申し上げられませんが、この写真の中に、中学の時に仲が良かった、というより好意を持っていた女の子の自宅がありました。よく家の前でしゃべったりしてました。
結局その女の子にはフラれてしまいましたけど(笑)、なんか24~5年前に戻ったようで懐かしい感じがしました。写真を見てドキっとしましたよ、ちょっとボロくなっただけで外観は20数年前と変わってませんでしたから。
投稿: BJのぶ | 2014年7月25日 (金) 22:59
BJのぶさま
思い出話のご紹介ありがとうございます。
どの家かは追及しませんが、やはり風景はそれぞれの人の記憶を呼び起こすことができますので、建物自体の価値を超えて、残す意味があると思います。
投稿: びんみん | 2014年7月26日 (土) 03:24