夏の香川・島めぐり(22)豊島の唐櫃集落
香川県豊島の話も最後です。
甲生(こう)地区の後は、島を反時計回りにバスで、北東部の唐櫃(からと)地区に向かいました。(途中の道はかなり高いところを走って、広々とした景色が見られます)
最初に着いたのは豊島美術館の前。
ロケーションにかなりこだわったというだけあって、この海に突っ込んでいくかのような道というのが気持ちを高めます。
中央右の白いのが美術館で、一帯は海に向かって段々畑が広がる雄大な景色です。
豊島美術館は人気が高いので、入場制限があります。
この日はお天気がいまいちだったのでましだったようですが。
右が豊島美術館の本体、左はショップです。
左にぐるっと丘を回り込むようにアプローチします。
知人からの「いいよ」というお勧めだけで、ほとんど予備知識なく美術館を訪れたのですが、眺めていてあきない展示でした。とくにこの日は途中からにわか雨があり、美術館はぽっかり丸く天井が開いていますので雨が降り込んで、自然の演出がおみごとでした。
その後は、唐櫃浜へ。
唐櫃地区は海岸の唐櫃浜と丘の唐櫃岡に分かれています。
写真から、かなり高低差があることが分かると思います。
これでもかなり下ったところから撮っています。
ところで、唐櫃って面白い地名ですね。
中国との交易と関係あるのかと想像します。
下関にも唐戸地区という古い港がありますし、神戸にも唐櫃があるらしいです。
唐櫃浜を歩いていると、瀬戸内国際芸術祭ではないのですが、昔の海苔加工場を利用した唐櫃美術館がありました。
東北の震災関連の展示をされていました。
手前の漁具が海苔養殖のものだそうです。
インスタレーションになっています。
続いてバスで唐櫃岡へ。
バス停の前には唐櫃公堂という会館がありました。
玄関の丸柱に巻かれた豆タイルが良いです。
隣には中野喜三郎翁の銅像が立っていました。
どこでも郷土の偉人はおられるものですが、中野翁はかなり貢献の大きな方だったようです。
石工から始めて、石材と土木工事を商って中野組(現ナカノフドー建設)を興し、皇居眼鏡橋工事、明治29年に中央線笹子トンネル、明治44年に日本橋の改築、昭和2〜11年に国会議事堂の石工事を行ったそうです。旧日本銀行もそうだとか。
裏面は地域での事績になっていて、水道の設置、村役場の新築、基盤整備、豊島石の生産販売、海運・漁業の開発振興、神社・仏閣の改修まで広く貢献されたそうです。
さて、唐櫃岡の集落ですが、島の3地区の中でもしっとり落ち着いて、一番雰囲気の良く感じられる集落でした。
唐櫃公堂の裏にあったいい感じの建物。
鬼瓦に十字が入っていますので、教会だったのでしょうか。
斜面に集落が広がっていますので、屋根の連続がきれいです。
また新しいものとして、島キッチンというレストランができています。
モダンなデザインの塀があったりもします。
前回取り上げたように、石垣が特徴的です。
集落の外れに唐櫃の清水という水場があります。
広い水場になっていて、昔は賑わったようです。
このあたりで時間となりましたので、バスで家浦港に行き、高速船で高松経由で大阪に戻りました。
豊島は変化に富んで、各集落も個性豊か、名前通り豊かな島だと思います。
今度は普通の時期に再訪してみたい気もします。
これまで長らく夏の記事を引っ張りましたが、ご覧いただきましてありがとうございました。
実はこの後、「秋の香川・島めぐり編」もあります。
よろしくお願いします。
より大きな地図で 瀬戸内国際芸術祭2013 を表示
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コメント
今こちらはちょうど盛夏なので、違和感無く拝読しました!
秋編も楽しみにしてます。
投稿: KYO | 2014年1月22日 (水) 12:53
KYOさん
コメントありがとうございます。
良かったのかどうなのか。
秋編よろしくお願いします。
投稿: びんみん | 2014年1月23日 (木) 01:11