旧ジョネス邸の内覧会とシンポジウム(神戸市)
6/15(土)、神戸の塩屋にある旧ジョネス邸の第2回内覧会とシンポジウムに出かけてきました。
先月の内覧会に続いてです。>前回の記事はこちら
今回は晴れた海が見られることを期待したのですが、前回以上の雨でした。
旧ジョネス邸は現在、マンション建設計画による解体が迫っており、地元の方を中心に保存活用運動が続いています。
詳しくは、下記のリンクをご覧下さい。
「旧ジョネス邸を次代に引き継ぐ会」
・署名や寄付、共同購入者、活用提案、情報発信を求めておられます
(追記)
9月末の期限までに買取の交渉はまとまらず、残念ながら、旧ジョネス邸の現地保存は絶望的となりました。
ただ、部材・備品は可能な限り保存されるとのことで、今後、移築再生される可能性は残っています。
詳しくは上記のリンクをご覧下さい。(2013.10.16記)
シンポジウムは近くの旧グッゲンハイム邸で行われました。
座談会には代表で旧グッゲンハイム邸の森本アリさん、神戸で近代建築の保存運動・価値発信に関わってこられた北夙川不可止さんや中尾嘉孝さん、京都工芸繊維大学の笠原一人先生、建築家の橋本さんが参加されていました。
シンポジウムには120人、内覧会には450人の方が来られたそうです。
まず旧ジョネス邸が非常に優れた建築であること、塩屋にとって大きな意味を持つことが説明されました。
旧ジョネス邸は一度大事に移築されています。外観デザインは大きく変わらず、階段手すりなどがオリジナルだそうです。煙突は移築の際に撤去されました。2階の間取りは移築時に変更があったようです。
また保存活用事例について。旧神戸商工会議所の保存運動は成功しなかったけれど、それが旧居留地の建物の活用につながったそうです。先行して山邑邸(ヨドコウ迎賓館)の保存運動もあります。旧ジェームズ邸、旧国立生糸検査所、名古屋の旧春田邸、池田市のシェアハウス、高崎哲学堂、和歌山の西本ビルなど各地の活用事例も紹介されました。
旧ジョネス邸は、立地が良いこと、駐車場や厨房を用意できる広い庭があることが活用の際の優位点としてあげられました。ネックは買取価格が高いことです。
活用案の王道としてレストラン、イベントスペース、変わったところでは、銭湯、マンション共有スペース、大学のサテライトや研修施設、(自転車の)道の駅などのアイデアが出ていました。
提案期限は6月末に区切られており、大きなスポンサーが現れることや、所有者のあなぶき興産の協力がないと難しい状況のようです。
何か協力できるという方、ぜひお願いいたします。
(追記)
期限が9月末まで延期されたそうです。
神戸新聞「神戸の洋館・旧ジョネス邸の解体延期」
(2013.7.2記)
シンポジウムの後、もう一度、旧ジョネス邸に向かいました。
残念ながら、今回もきれいな海は見られません。
寝室は前回、物置状態で写真を撮るのがはばかられたのですが、今回きれいに整えられていました。
この部屋にはシンプルな暖炉スペースがあります。
ちょっと変わった照明器具。
前回、建物全体は紹介したので、今回はディテールを紹介しておきます。
2階廊下の照明器具。こういうデザイン、よく見かけます。
階段の照明。
ドアノブ。みなこの形でした。
書斎の窓の開閉具。
書斎の家具。
龍でしょうか。
植物と一体化した獣。
ビワ?
朝顔のような花の咲くこの木は何でしょう。
鳳凰でしょうか。
ここにも雀?
何かの実。
獣の足と龍の頭。不思議な造形です。
こういう隅々までの細やかさと、壊してマンションを建てた方が儲かる(短期的には)という粗い感覚は随分遠く思えるのですが、こういう建物を活用するのが経済的にも第一選択となる理解を広めて、距離を埋めていかないといけないのだろうなと思います。
<関連記事>
「旧ジョネス邸の内覧会に参加」 ・・・前回の報告
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