旧伊庭家住宅のディテール(近江八幡市)
近江八幡市の安土で、春の特別公開が行われている旧伊庭家住宅(大正2年、ヴォーリズ設計)を見学した記事の続きです。
前回は引手を紹介しましたが、今回はそれ以外のディテールを紹介します。
まず暖炉まわりから。
暖炉には4種類のタイルが使われています。
中でも目を引くのが床面のモザイクタイル。
こんな暖炉は初めて見ました。
教えていただいたところでは、京都の泰山タイルらしいです。
泰山タイルは大正6年創業らしいので、そうだとすると後の改修?
こういう赤絵風のタイルもあって楽しい。
暖炉の上の縁にも植物文様のタイルが使われていて、それ以外にはボーダータイル、熱を受ける部分にはたぶん耐火の白いタイル(か煉瓦)が使われています。
2階のアトリエには、もっと素朴で荒々しい石張りの暖炉があります。
次に照明器具。
シャンデリアは陶器製で面白いのですが、本体は明らかに新しいですね。
陶器部分は元からあったのでしょうか。
暖炉脇にも同じデザインで、単体のランプです。
階段室の天井には切り子のガラス照明器具。
2階の和室に手毬状の切り子のガラス。
2階廊下にはスズラン(?)のランプ。
こういうアールヌーヴォーな茎のデザインは玄関灯で見たことがあります。
2階寝室のガラスランプ。
これはよく分かりません。
続いては階段の親柱。
近代建築を見に行くと必ず見るところです。
装飾はありますが、ごくシンプル。
階段室の壁面。
所々に刷毛目を走らせているのが面白い塗り方です。
欄間は至ってシンプル。
これはこれで高い技術がいるという説明をしていただきましたが、よく分からず。
ちょっとでも歪むと目立つのは確かです。
最後に大理石の洗面台です。
足がぶつからないように前面部が斜めに後退しているのがよく考えられているなと思いました。
床の間なども凝っていますが、ほかのディテールは皆さんでお確かめ下さい。
6/2(日)までの毎週日曜日10〜15時まで公開されています。
<関連記事>
「旧伊庭家住宅を見学」
「旧伊庭家住宅の引手コレクション」
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コメント
暖炉のタイル、泰山タイルだったのですね。
カラフルなんですが、全体の色合いがとても落ち着いていて、いいなあと思いました。
それから照明の写真を見ていて、自分がまちがって2F寝室のランプの写真をドアノブの写真だと思ってブログで紹介していたことが分かりました。あ~恥ずかしい。訂正しておきます。
投稿: quatrefoil-window | 2013年5月13日 (月) 08:07
qutrefoil-windowさま、コメントありがとうございます。
タイル、いい色合いですよね。
角に絵画風のタイルを持ってくるというのも面白いなと思います。
投稿: びんみん | 2013年5月14日 (火) 08:02