春の香川・島めぐり(3)坂出の商店街の近代建築
続いて、坂出の中心商店街にある近代建築を東から西へ紹介します。
最初は商店街の角にランドマークとして立つ角本金栄堂(昭和9年)です。当初は菓子問屋だったとのこと。
坂出人工土地の上から見るとよく見えます。
スクラッチタイルにステンドグラス、アールを面取りした角には模様も入って華やか。
(追記)
2014年6月2日の火事で燃えてしまったそうです・・・
(2015.3.6記)
アーケード商店街をしばらく歩くと百十四銀行坂出支店・坂出本町出張所(昭和5年)があります。茶系統の落ち着いたタイルの濃淡がきれいです。
背面から見ると、四角い箱が積み重ねられていて、増築に増築を重ねてきたのかなと思わされます。
続いて、高須商会(昭和8年頃)。
営業品目が砂糖や小麦粉と書いてあるので、問屋さんでしょうか。
香川といえば、和三盆、うどんなので、ともに縁が深いですね。
軒の上に台形の明かり窓があるのが面白いです。
洋風のうだつが装飾的です。
軒下の照明も年代もの。
点灯してみてほしい。
楽器のコトブキヤさんは、書体がレトロです。
最後に水尾メリヤス(昭和初期)。
商店街側からは分かりにくいのですが、側面を見ると・・・
付け柱や軒蛇腹、胴蛇腹と洋風の意匠がふんだんに。
でもどことなく看板建築風です。
間口の広いお店で、反対側から見るとこんなふう。
2階の木製桟が矢羽根模様なのが良いです。
出入口の金文字が懐かしい書体です。
前回は大正時代の建築が多かったですが、商店街には昭和初期の建物が集まっていますね。
かつては繁華街だったはずですが、(既に夕方とはいえ)閉まっているお店が多いのが気になりました。
(追記)
2017年8月に再訪したところ、商店街の建物は解体されるものが増えて、あちこちが空き地になっていました。
その一方で、建物の側面が見えやすくなったり、気付かなかった側面に気付くことも。
まず、水尾メリヤスさん。
側面が見えやすくなっています。
また前回は気付かなかったのですが、反対側の壁は大きな煉瓦壁になっています。
新たな発見だったのは、化粧品のマルベニさん。
以前隣にあった建物がなくなって、白いタイル貼りの洋館風の側面と下見板張りの側面が現れていました。
半円アーチで木製サッシの窓です。
これは今回の収穫でした。
(2017.12.17記)
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コメント
びんみんさん、おはようございます。一生訪れることはないだろう香川を案内して下さりありがとうございます。何やら懐かしさがぎゅっと詰まっている感じがしました。特にメリヤスって言葉を調べたら、元はスペイン語かポルトガル語らしいとのこと。またお勉強してしまいました。
アーケードでは昔の吉祥寺の商店街(かなり大きい)のを思い出しました。今は様変わりしているでしょうね。最後の「出入り口」に映っている人影がびんみんさん以外だったら怖いですね。次も楽しみにしています!
投稿: まあちゃん | 2013年5月10日 (金) 09:03
まあちゃんさま、おはようございます。
香川県も良いところですよ。
そういえば、メリヤスって変わった言葉だなと思いながら、調べたことはありませんでした。ありがとうございます。
最後の人影って何ですか?(なんて)
投稿: びんみん | 2013年5月12日 (日) 09:46