旧大阪市営高見住宅(此花区)
以前、旧大阪市営北畠住宅や杭全住宅を紹介したことがありますが、同時期の市営住宅である高見住宅の現状を見に行ってみました。最寄駅は阪神なんば線の伝法駅です。
市営住宅といっても賃貸ではなく、月賦販売されましたので、既に市営住宅ではありません。
昭和7年の「大阪市社会事業一覧」という資料によると、北畠住宅、杭全住宅がともに月約30円の支払いだったのに対して、高見住宅は月約18円でした。
高見住宅の供給戸数は70戸です。
見に行ってみると最初の写真の住宅がありました。
下見板張りの木造2階建てです。これが現存しているものだと思うのですが、いかがでしょう。
同じ建物の逆からのアングル。
前面道路は狭く、未舗装ですが、植え込みスペースが取ってあって、従来の長屋と一味違うと感じさせます。
2軒目。こちらは平屋の住宅です。
これも下見板張り。シンプルです。
こちらは舗装されていますが、植え込みスペースはそのまま残っています。
そして3軒目。こちらは2階建ての下見板張り木造住宅です。
1階部分の壁面が改修されています。
私が確認したのは3軒ですが、改修されて見た目に分からないものもひょっとしたらあるかもしれません。
敷地の北側に公園があって、堤防の向こうは淀川です。
また市営住宅地の西隣は、伝法土地区画整理事業(昭和12年換地処分)のエリアになっています。
高見住宅も大阪の住宅史の大事な資料だと思います。
他に、月賦住宅には都島住宅、今里住宅(十三)、栄町住宅(芦原橋)があります。賃貸については昭和7年時点で19住宅があります。おおよその場所は分かるのですが、また特定できればそれらも訪ねてみたいと思います。
<関連記事>
「旧大阪市営北畠住宅」 2009年2月
「旧大阪市営杭全住宅」 2009年12月
「春日出町住宅地」 2009年7月
目次「近代の郊外住宅と別荘地、社宅」
「伝法を散歩」 2006年9月
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