雲雀丘の旧安田邸オープンデー(宝塚市)
昨日の今日で、雲雀丘の旧安田邸を訪問しました。
宝塚オープンガーデンフェスタの期間中では唯一のオープンデーです。
肌寒くて、お天気雨も降りましたが、爽やかな天気でした。
前回の記事で紹介した通り、旧安田邸は大正10年に建てられました。所有者の安田辰治郎氏が海外赴任中に見た北米の住宅を参考に、素人建築家として和大工とともに建てた洋館です。
この建物は宝塚市に遺贈され、今は宝塚市の所有になっています。
このお屋敷、遠目にはこのように屋敷森に囲まれてほとんど姿が見えません。
オープンデー開催中を示す看板。
オープンデーの企画として、カフェが出店していました。
(琴のコンサートは事情により中止)
門からのぞいても庭木に遮られてほとんど建物は見えません。
ところが裏側に回ると明るい庭を前に華やかな建物が姿を見せます。
とくに今日は青空に映えて、とても絵になります。
庭は地元の有志の方が草刈りなど手入れをされています。
「歴史的建造物復興宝塚浪漫物語委員会」という組織で、建物の保存と利活用を考えておられます。現状では建物の傷みが激しく、宝塚市として安全を保証できないということで、一般の人は立入禁止になっています。
建物は3階まである中央部分と両翼の3つの部分に分かれています。
中央と西側は1階部分が板張りで、2階以上はスペイン風(?)の塗り壁になっています。
2階の壁にはウインクするライオンの飾り(オーナメント)。
(ウインクはそう見えるだけですが)
漆喰細工でしょうか。
鎧戸にみな三日月マークが入っているのが面白いところです。
東側は庭に張り出していて、岩がごつごつと飛び出していたり、石の塊が壁に貼り付けられていたりします。山荘のイメージなのでしょうか。
カラフルな石が張られています。
建物には入れないのですが、窓を開けていて、のぞきこむことはできるようにされていました。
洋間であっても、天井に網代のようなものが張ってあったり、照明が和風だったり、部分的に和の要素が入っています。2階西側には畳の和室もあるそうです。
建築当時の様子をかなり留めているように見えるので、補修される場合も、あまりきれいにしすぎなければ良いなあ、直す前に見学したいなあと思います。勝手なお願いですが。
1階中央部分。ステンドグラスが多用されています。
ステンドグラスの照明具。
ごつごつした暖炉。
庭に向かってベンチが置かれています。
1階東側の暖炉。こちらはすっきりしたタイプです。
南側は庭に入らないと見ることができなくて、このサプライズ感は貴重だと思います。
どこも建物の維持管理には苦労されていますが、うまく補修して利活用されることを期待したいと思います。またいずれ訪ねることになりそうです。
最後に2つお知らせをいただきました。
(1)4/27(土)の夜9時からテレビ朝日系列で放映される、
ドラマ「SP警視庁刑事課Ⅲ」に、この旧安田邸と
近くの高碕記念館が関係者の家として登場。
→市HP
(2)次回のオープンデーは5/19(日)14〜15時です。
男性だけのゴスペルクワイアの「G.T.Ⅱ」の
コンサートだそうです。このお庭が会場です。
参加費500円(お茶付き)で、参加費は復興基金に。
<関連サイト>
近畿都市美協議会HP「平成24年度 都市景観研修会」
・PDF資料にもリンク。最初のものが分かりやすいです。
ひろの東本西走「雲雀丘花屋敷・旧安田邸」
まちかど逍遙「雲雀丘花屋敷 旧安田邸」
<関連記事>
「雲雀丘花屋敷でオープンガーデン開催中」 2013年4月
「雲雀丘の高碕記念館とS邸」 2013年4月
「雲雀丘の洋館群」 2013年4月
「寄らされて新宮、西村伊作邸」 2007年5月
「栗原邸(旧鶴巻邸)の見学会」 2008年11月
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コメント
窓からのぞきこむだけでも、ずいぶんと楽しめるようですね。
安田財閥の関係なのかな、と思ったら、そういうわけでもなさそうですね。
安田辰治郎さんはアマチュアカメラマンさんだったようですが有名な方なのでしょうか。
自分でこの設計図を引けてしまうなら、設計屋さんでやっていけたような。
これからの季節、このお庭でのコンサートは素敵でしょう!
投稿: yumyum | 2013年4月22日 (月) 01:17
yumyumさん、コメントありがとうございます。
窓から見せてもらえたのは幸いでした。
三井物産にお勤めだったので、むしろ三井財閥の関係?
有名な方のようなのですが、私はよく存じ上げません。
センスがあったのでしょうね。
この季節、または紅葉もあったので秋もコンサートに良さそうです。
投稿: びんみん | 2013年4月23日 (火) 00:58