旧鳴尾競馬場スタンド(兵庫県西宮市)
浜甲子園健康住宅地を見に行った時、ついでに武庫川女子大学の浜甲子園キャンパスも見に行ってみました。ここにかつてあった鳴尾競馬場のスタンドの一部が残っています。
※クリックすると拡大します
<昭和7年修正測量 仮製版1万分の1地形図「西宮首部」陸地測量部発行をベースに追記>
鳴尾競馬場は明治40年に始まった関西で初めての競馬場だそうです。
昭和12年に阪神競馬場に改称されたとする資料もあるのですが、昭和7年修正測量の地図で阪神競馬場となっているのは、既に通称だったのでしょうか。
地図の昭和7年当時はまだ木造スタンドで、昭和10年に現在一部が残っている鉄筋コンクリートのスタンドが建てられたそうです。
きれいに改修されて、ほとんど古さを感じさせないのですが、四角い穴の開いたひさしのデザインなど変わっています。
グラウンドの反対側にも回ってみました。
最上階に吹きさらしの観覧席があることが分かります。
コースは手前側です。
この建物は競馬場のスタンドから昭和18年に軍の鳴尾飛行場の管制塔に転用され、戦後は米軍キャンプの一部となり、現在は武庫川女子大学の建物と、用途が転々としています。
こんな変遷は珍しいですね。
なお競馬場の跡地は飛行場を経て、浜甲子園団地などになっています。
団地内の診療所、いかにも計画的に作りましたというデザインが面白いです。
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コメント
これも親父から聴いた話です。
戦前“鳴尾”には二つも競馬場(鳴尾速歩競馬場・関西競馬場)があったと。
戦後“仁川”に移転し新阪神競馬場となり、「鳴尾記念(GⅢ)」が始まったと。
“武庫女”は鳴尾競馬場跡(浜甲子園キャンパス)、旧甲子園ホテル(上甲子園キャンパス)の払い下げを受け、今や日本一の学生数の女子大となりましたネ。
投稿: 難波のやっちゃん | 2013年3月28日 (木) 10:49
難波のやっちゃんさま
解説ありがとうございます。
二つの競馬場が出ている地図は見たことがあります。
なぜ二つあるのか不思議でした。
武庫川女子大学は女子大で学生数日本一なんですね。
それは知りませんでした。
投稿: びんみん | 2013年3月30日 (土) 02:37