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2013年1月 3日 (木)

平野の洋風建築など(大阪市平野区)

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昨年の暮れ、平野に出かけてきました。
新之介さんや皆さんの記事を見て、前々から行こうとは思っていたのですが、なかなかタイミングがなかったところ、仲間のIさんからマップが送られてきて、この機会にと。

私はいつものように、近代や洋風建築を中心に紹介したいと思います。

スタートはJR大和路線の平野駅からです。
子どもの頃から関西線は使っていたのですが、今回降りてみたら駅前に古いお屋敷があって意外でした。

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駅前通りを歩いて行くと、「大日本紡績平野工場私道」の標柱。
帰ってから調べると、元は明治20年創立の平野紡績で、明治35年に摂津紡績に合併され、大正7年に尼崎紡績に合併されて、大日本紡績(現ユニチカ)になりました。
写真で見ると整然とした工場です。

昭和4年の写真(大阪市立図書館)

平野工場は昭和44年に閉鎖されて、後はマンションなどになっています。

(参考)平野郷HOPEゾーン協議会による平野郷の解説

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<大正14年頃? 二万分大阪市街全図>
※クリックすると拡大します

大正末頃の地図を見ると、杭全神社の西側に日本紡績平野工場と書かれています。
細長い池(環濠)で囲まれた街区が旧平野郷です。
その周囲に、平野撚糸工場、土井燐寸(マッチ)工場、大阪インキ工場、直川織布工場などの工場が見えます。江戸時代から棉花の集散地だった歴史が、繊維産業へとつながったのですね。

旧市街と工場の関係は堺とも似ているように思います。
堺でも環濠の外側に工場が集積していきました。

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さらに進むと街の様子が変わって、ここからが平野の旧市街です。
曲がった道の左に環濠がありました。
真ん中にあるのは馬場口地蔵の地蔵堂です。平野郷に13あった出入口それぞれに地蔵尊が祀られていたそうで、詳しい解説は下記のリンクで。

十三のいま昔を歩こう「環濠集落・平野を歩く」

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その近くにあるのが平安末期創建の大念仏寺
今でもかなり広い境内のお寺です。
万部おねりで有名。

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昔ながらの郵便新聞受。

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奈良でたくさん見かけたアールデコ調の玄関灯。
このタイプはかなり量産されたんですね。

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洋風建築で、山口医院がありました。
掲示板に隠れていますが、丸窓もあります。

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昔の南海平野線の跡が遊歩道になっていて、鉄道時代を偲ばせるような装飾が施されています。
大正3年に西成区の今池-平野間で開業し、昭和55年に谷町線の延伸に伴って廃止されました。
先ほどの地図で既に平野までの地下鉄計画が出ていますので、随分時間がかかったともいえます。

十三のいま昔を歩こう「南海平野線・平野駅の跡」

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平野郷の南まで来ると、洋館付き長屋住宅がありました。

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こちらのお宅も洋館付き住宅のようです。
モルタル掃き付けのドイツ壁。

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角のクラゲのような装飾が面白いです。

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南側の幹線道路まで出ると、ここにも洋館付きの住宅がありました。

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ちょっと足を伸ばして、道の向こうへ。
大阪教育大学附属平野小学校があります。
この裏門、王冠型の窪みがあって、アールデコ調です。
調べると、元々この敷地は地元の誘致により、昭和2年に大阪府女子師範学校、附属小学校・幼稚園が桃山から移転してきたものらしいです。

敷地は不自然に余裕があって、興味をひかれます。

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再び中心部に戻って、アーケード商店街の中にある小林新聞舗本店。
明治22年創業の大阪市内で一番古い新聞販売店だそうです。
現在の建物は昭和4年で、登録文化財になっています。平野の代表的な近代建築。
新聞屋さん博物館になっていて、開館日を狙っていったのですが入れず。
年末だったからでしょうか。

近代建築でありながら、鍾馗さんが祀られているのが面白いですね。
平野は鍾馗さんをよく見かける気がしました。

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並びにあった建物の丸窓。
アートっぽい顔にも見えます。

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業種は不明ですが、この建物も扉や窓枠などに味があって良いです。

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今度は平野郷の北側まで北上して、国道25号線の向こうにある洋館付き住宅。
ひろの東本西走でも紹介されています。

ひろの東本西走「平野郷をテクテク」
 ただ、平野本町2丁目のK谷邸は今回見落としました。残念。

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最後にこれも国道25号線沿いにあるニシキ写真館。
ドアやショーウインドウの感じが良いです。

もう少しじっくり回ればまだまだ埋もれているものがある平野です。

<関連ブログ>
 十三のいま昔を歩こう「平野郷逍遙」
           「平野郷のまち歩き」 ほか


より大きな地図で 平野 を表示

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