新潟さと歩き(10)絵本の学校
季節外れの大地の芸術祭の記事。
次の目的地は絵本と木の実の美術館です。
これはテレビで紹介されているのを見て、ぜひ見たいと思ったところです。
2005年に廃校になった旧真田小学校を、絵本作家の田島征三さんが丸ごと絵本にしてしまったというものです。
校舎は木がふんだんに使われています。
まず体育館。流木をペイントしたたくさんのオブジェが浮かんでて、いきなり圧倒されます。
時々、バッタンと動くものもあります。
絵本のタイトルは「学校はカラッポにならない」。
来客の子どもがピアノを弾いていて、作品の世界と一体化していました。
まず学校に棲むお化けと対面。
口から何かが出ていますが、木をつないだものに木の実が付けられていて、これをたどっていくことで話が展開します。面白い。
最後の在校生ユウキ・ユカ・ケンタ。
彼らがこのお話の主人公です。
黒板に描かれた先生。
木の実は穴をくぐって、先へ先へ、教室から教室へ。
木の実は窓をくぐったり、壁を抜けたり、自由につながっていきます。
最後に3人は学校の壁から飛び出していきます。
また別のお化け。
3人が飛び出していますでしょう?
とここまでは普段から美術館として公開されているのですが(冬期は休館)、大地の芸術祭企画として、その先の展示が作られていました。
これは「どうらくオルガンちちんぷいぷい」。
中に入って人力で操作することで、バッタンバッタン、ボーボー、ピーピーと音が奏でられるようになっています。
裏の坂を上がっていくと、叩くと音の出る竹筒。
棒でカンカンと叩きながら歩いて行きます。
わらでできた大きな人形。
仕掛けでむっくりと。
道は斜面の上に続き、学校を見下ろします。
カラフルな旗が並べられています。
この集落は鉢集落といって、すり鉢状の地形になっています。
今まで見てきた学校の絵本の世界を飛び出して、学校を愛おしみ空を飛ぶように眺めながらめぐるルートで、演出として非常に面白いと思います。
最後に階段を下りて、入口に戻ります。
池にあるバッタはししおどしのような仕掛けで、水がたまるとバッタンと頭を下げます。
するとつながっているワイヤーを引っ張って・・・体育館の人形が動くようになっているわけです。
子どもにはとても楽しいと思います。
同じ廃校を活用するにも、こんな活用の仕方もあるんですね。廃校になったからといって、カラッポにしてはいけないという思いのあふれるいい展示でした。
紹介しませんでしたが、ミュージアムショップやカフェもあります。
再び河岸段丘を走って十日町へ。
この風景の変化も魅力です。
<関連サイト>
絵本と木の実の美術館公式HP
<関連記事>
○新潟さと歩きシリーズ
(1)大地の芸術祭2012 (2)津南の木造工場など (3)十日町の木造工場 (4)囲うと溶かす (5)大地の芸術祭・十日町会場 (6)除雪車のダンス (7)文字通り小千谷 (8)土の学校 (9)眺める部屋 (10)絵本の学校 (11)泊まれる学校 (12)松代の街道(完)
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