阿佐ヶ谷住宅の残照(東京都杉並区)
6月、東京に行った機会に杉並区にある阿佐ヶ谷住宅を訪ねました。
『奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅』という本が出ているぐらいで、非常に有名な団地です。
日本住宅公団が昭和33年に開発した住宅・・・ということは、前回の記事で紹介した香里団地とほぼ同年代、ということに記事を書いていて改めて気付きました。
見た目にはかなり違うのですが。ゆったりと建てられた阿佐ヶ谷住宅はもっと昔のものに感じられます。
敷地の片隅には、大規模開発事業のお知らせが掲げられていました。
建て替え計画のため、既に多くの方が退去して、あちこちにロープが張られ、寂しい団地となっています。付近の反対運動もあって進んでいないようです。
木々は貫禄を備えて、これからというところなのですが。
シロツメクサの咲き誇る中央の広場には子供たちが遊んでいました。
阿佐ヶ谷住宅は、住棟が流れるように配置されていて、真っ直ぐの道というのがありません。
こんなふうに。
そして建物と建物の間は緑で満たされています。
ちょうどアジサイの季節。
大きく育ってテラスハウスがミニチュアに見えます。
前川國男が設計したという傾斜屋根のテラスハウスは、この団地の特徴的な建物です。
コンクリートブロックの壁が外観からも分かります。
住戸に通じる道は庭のようです。
一番高い住棟でも4階建てです。
昔5階建ての団地に住んでいた私には懐かしいサイズ。
住棟の番号はタイルで表現されているのでしょうか。
この玄関扉はオリジナルかもしれません。
ブランコを外された白いトラスが寂しい。
こちらは、公団本所設計課によるテラスハウス?
庭から外に出る扉が付いています。
解説はもっと詳しい方がたくさんおられるので譲るとして、この記事では印象だけ記しました。この団地の空間の豊かさと寂しさを味わう訪問になりました。
<関連ブログ>
商都たてもの大学校「阿佐ヶ谷住宅」(2012.4)
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コメント
びんみんさん、こんにちは。9月も今日でおしまいです。ブランコの「トラスってなんだ?」って勿論調べました。勉強になるなー。そして➔で「ラーメン」と言う言葉があり、父がその昔使っていたのを思い出しました。ラーメンはドイツ語なんですね。新潟編も楽しかったし、阿佐ヶ谷住宅は住んだことないのに妙に懐かしさを感じ、紫陽花がまた風情を添えていました。流石にそちら方面も秋らしくなっていることでしょうね。
投稿: まあちゃん | 2012年9月30日 (日) 14:35
まあちゃんさま、こんにちは。
秋らしく台風襲来中の大阪です。風はあまりないですが。
調べて読んでいただいてありがとうございます。
ラーメン構造のラーメンですね。どうしても、インスタント麺の四角い固まりをイメージしてしまいます。
投稿: びんみん | 2012年9月30日 (日) 17:06
偶然こちらにたどり着きました。20年ほど前に3枚目の写真に映っている中層棟に住んでいました。今は海外に移住していますのでもう見に行くこともなかなか叶いませんが、取り壊される前に、こうしてもう一度見られることができて感謝しています。ありがとうございました。
投稿: JM | 2012年10月 3日 (水) 06:48
JMさま、コメントありがとうございます。
実際にお住まいだったのですね。
私も団地住まいだったのですが、このような環境にお住まいでうらやましいことです。
最近、懐かしむコメントをいただくことが多く、うれしく思っています。
ご報告ありがとうございました!
投稿: びんみん | 2012年10月 4日 (木) 21:22