岸和田の木造市営住宅
たまたま岸和田を歩いていて、戦後復興期を思わせてはっとする一角がありました。
下野町一丁目の丘、墓地の北側です。ピンと来るものがあって、後で調べてみるとやはり昭和20〜30年代の市営住宅でした。下野町住宅といいます。
こちらの資料を見る限り、昭和23、25、28、36年度の竣工分があることが分かります。
どうも現存する岸和田市営住宅では一番古そう。
また、平成22年3月の岸和田市「地域住宅計画」(PDF)には、建て替えすべきことがはっきり書かれています。
昭和20〜30年代の市営木造住宅が約40%を占めているんですね。
戦後の市営住宅は、あまりいい思い出のない方もおられるでしょうし、ブログのテーマとして取り上げにくくはあるのですが、消えてしまう前に、時代の記録として紹介したいと思います。
4つの年代に分かれていますので、建物の形式もいくつかあります。
また後の改修も加えられています。
左の住宅は半分モルタルで、腰壁に立て板を貼っていますね。
前面横板の住宅もあります。
冒頭の写真などその完璧なもの。
瓦屋根もあれば、軽量化された屋根のものもあります。
一部では空き地化して、畑になっています。
畑を作らないようにという注意書きで、ここが市営住宅であることを知ることができます。
所々、農地化して、木が育って、ある意味環境が良くなっているというのか・・・
空き家化した家から新規入居者は入れないのかなと思います。
こちらも屋根以外は、よく原型を留めていそうな住宅。
この玄関扉の矢羽根飾りは面白いです。
ガラスは型板ガラス。
地区の西半分は、南北に列をなして棟が並んでいます。
建物と建物の間が土の路地になっていて、こちら側から出入りする形です。
緑が多く、とても生活感があります。
住宅以外では牛乳屋さんがありました。
この建物は使われていませんが、おそらく商店か食堂だったと思います。
昭和の空気あふれる空間。
市営住宅の東隣にはのこぎり屋根の工場もありました。
繊維工場でしょうか。
質的に建て替えはやむなしかもしれませんが、記憶に留めたい風景です。
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*戦前の市営住宅
「大阪市営杭全住宅」
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コメント
びんみんさん 今晩は
下野町住宅 早速訪ねて来ました(汗)
と云うのは、行き付けの鍼灸院本院が春木駅前に在るからです(笑)。
和泉大宮で降りて紀州街道と春木川、共同墓地と加守団地に囲まれた辺り…初めて歩きました。
昭和20~30年代、子供の頃によく見かけた市営住宅…西宮では昭和40年頃には集合住宅に建て替えられ、今では高層マンションになってます(涙)。
二戸一が多く記憶が甦りました(懐かしィ)。
今夏は節電も兼ねて、予選から甲子園まで高校野球の観戦に出歩いています(汗)。
地方球場は緑地公園内に在るので風があれば涼しいですよ(笑)。
情報ありがとう(感謝)
投稿: 難波のやっちゃん | 2012年7月19日 (木) 18:07
難波のやっちゃんさま、こんばんは。
は、早い(笑)
さっそく訪ねていただいてありがとうございます。
見に行く方がおられれば、紹介した甲斐があります。
この辺り、春木川沿いも紀州街道沿いもいい感じやなあと思います。
普通はとっくに建て替えられてますよね。
節電を兼ねての高校野球観戦、良いですね。
投稿: びんみん | 2012年7月20日 (金) 02:12