尾山神社神門の石(金沢市)
先月、富山旅行のついでに、金沢に立ち寄りました。
目的は金沢21世紀美術館を見ることで、後の予定もあるので脇目もふらず、のつもりが、道すがらの建物に寄り道しましたので紹介します。
まずは尾山神社の神門。明治8年の建築です。
第三層に五色のギヤマンがはまり、灯台として使われたとか。
避雷針は日本最古という豆知識もあります。
でも見たかったのはその石です。
「まちかど逍遙」で以前、尾山神社神門のカラフルな石材が紹介されていて、金沢に行ったときにはぜひと思っていました。
神門に上がる階段もまたカラフル。
このカラフルな石は「まちかど逍遙」のぷにょさんによれば、戸室石(医王石)だそうです。
戸室石は金沢市の南東8kmにある旧火山・戸室山で産する角閃石安山岩だとのこと。赤っぽい赤戸室、青っぽい青戸室、そのバリエーションがあります。一度山が崩壊を起こし、石材は点々と土に埋まった状態であるので、石切場というより、石を掘り起こしてはその場で加工していたようです。
その現場、見に行ってみたい。
金沢城の石垣にも使われています。
(参考)
>石川県「金沢城の石垣に用いられている「戸室石」について」(PDF)
金沢大学理学部・石渡明助教授「戸室火山の大崩壊について」(防災市民講座)
神門の真下にはもう少し堅そうな丸い大きな石がはまっています。
もう一つ境内で気になったのは石の導水管。
江戸時代、この尾山神社の場所にあった金谷御殿の庭に、兼六園から水を引く仕掛けがあり、当初は木管だったのが、天保15年(1844年)に金屋石に取り替えられたそうです。
金屋石は庄川上流で、今の砺波市に産する緑色凝灰岩。
わざわざそんなところから運んだんですね。
ここで近くの戸室石を使わなかったのは、耐久性の問題なんでしょうか。
・・・マニアックな記事ですみません。
<関連ブログ>
まちかど逍遙「金沢の石垣」
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コメント
拙ブログを紹介いただきありがとうございます。
石の導水管おもしろいですね。展示してあったのですか?
パイプの部分と外側の石は一体のように見えますね。
つなぎ目の部分をきっちりはめられるように加工してあるのでしょうか。
戸室石は適さなかった、というか金屋石が水管に適していたのでしょうね。
辰巳用水にも使われていたようですから。
投稿: ぷにょ | 2012年6月30日 (土) 11:35
ぷにょさん、コメントありがとうございます。
石の導水管、面白いですよね。境内に並べてありました。
改めて考えると、刳り抜いたり、継ぎ手の加工をするのが金屋石の方がやりやすそうですね。
そういう事情かなと思えてきました。
兼六園から尾山神社まででも結構、導水管をつながないといけないので、用意が大変そうです。
投稿: びんみん | 2012年6月30日 (土) 22:37