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2012年6月 7日 (木)

新緑の疏水歩き(2)山科区間

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琵琶湖から鴨川までの疏水歩き、小さな小関峠を越えて、山科に向かって下ります。
疏水は地下をトンネルで抜けているのですが、そんな場所にも見るべきものがあって、それがこの第一竪坑です。
疏水まで50mの深さがあります。工事を捗らせるため、そして換気と採光のための坑道です。補修中でよく見えないのが残念。もう一つ第二竪坑があるのですが、それは見つけられませんでした。

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疏水は住宅地の中でふっと顔を出します。

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モミジそして桜が混ぜて植えられていて、堤の保護のためなのでしょうけど、立派に育った並木は季節ごとに美しく、粋な工事をするものです。

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橋脚に煉瓦の支えが残っています。

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ここで東海道線、湖西線の線路をまたぐ陸橋があって、皆さんそちらに電車を撮りに行かれたのですが、私はこちらの橋の方を。ここをまたぐだけなのに、味のある橋です。

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またトンネルがあって、手前に四宮船だまりがあり、水面が広くなっています。
このトンネルがそっけないのは新しいから。
昭和49年にできたそうです。

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元の水路は遊歩道になっていて、疏水の上を歩いているみたいなので、これはこれで面白い。

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遊歩道の途中、こういうシェルターみたいなものがありました。
作業員の練習のため、明治45年に造られた第2疏水トンネルの上部を複製として作ったのではないかとのことです。(みんな説明板に書いてあります)

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トンネル出口も船だまりのようになっています。

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ここでお昼。昼ごはんのために、山科の駅に寄り道します。
途中、気になるお屋敷がありました。近代建築みたい。
塀がスクラッチタイル張りです。

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昼食後、再び疏水へ。
疏水にかかる橋もそれぞれに違って面白いです。
天智天皇陵の側など通ったのですが、後で案内図の写真を見ると「御陵煉瓦工場跡地」という文字もあって気になります。

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旧鶴巻邸の側を通ります。
前に見学に来たとき、こんなに疏水の側なんやなあと思ったのですが、今回は逆の視線です。

(関連記事)
 「栗原邸(旧鶴巻邸)の見学会」

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ここに架かるアーチの橋もきれいです。
黒岩橋といって、日本最初の「本格的な」鉄筋コンクリート橋なんだそうです。明治37年のもの。

(参考資料)
 Roof-net「日本初のRC橋と琵琶湖疏水」

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そして再びトンネル。
山科区間では、疏水は山裾の等高線に沿ってカーブしつつ、ときにトンネルでショートカットして流れています。

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船をもやうロープをかけたのでしょうね。
金具があります。

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トンネル出口は急に立派な煉瓦積みに。
ちょっと格が上がったように見えます。
こんな変化も通しで歩いて分かること。

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右に見えるのは新山科浄水場取水池。
元々はここも船だまりだったらしいです。
疏水を船が行き交う様子も見てみたい気がします。

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ここに日本初の鉄筋コンクリート橋がかかっています。明治36年。
記念碑なども立っていますが、小さいゆえに「これが最初」という感慨を呼ぶ気がします。
でも「試しに作ってみた」程度なんですね。

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再び疏水は長いトンネルに入ります。
先ほどのもそうですが、なんだかお城みたいです。

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私たちは疏水を離れ、再び峠を越えました。
これは昭和8年の京津国道改良工事の記念碑。
今気付いたのですが、側面に使われている石って車石?

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峠道の側面擁壁に記念保存されているのですが、車石というのは、すぐ近くを通っていた東海道を牛馬車が走りやすいように、車輪の幅にわだちを刻んだ舗石らしいです。

車道の向こうに米を積んで運ぶ牛車のモニュメントもあったのですが、なぜか写真を撮るのを忘れていました。

京都の街はもうすぐです。

(一緒に歩いた皆さんのブログ)
 気まぐれblog
 「琵琶湖疏水~昭和の日に明治の偉業を辿る~(3)」
 「琵琶湖疏水~昭和の日に明治の偉業を辿る~(4)」
 いっこうがこっそりブログ
 「琵琶湖疏水を辿ってみた(滋賀県編)」
 「琵琶湖疏水を辿ってみた(京都府編)」

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コメント

びんみんさん、こんにちは。こちら冷たい雨が降り続いている日曜日。どうしてコメントが結構遅めかと言いますと・・・大体ご想像が当たっています。疏水が読めなくて一週間ほど「る」とか「りゅう」で探しましたがお手上げ。漢和辞典が引っ越しダンボールのどこかにあるのですが、電子辞書を使いこなしていないせいです。やっとT夫妻へびんみんさんのブログを転送し、漢和辞典片手で探してくれました。そして納得で心のつっかえが降りました。そしてゆっくりと(1)の方から心おきなく楽しませて頂きました。ありがとうございます。老後の楽しみは漢字をどれだけ読めるかに設定しましょうっと。

投稿: まあちゃん | 2012年6月17日 (日) 17:10

まあちゃんさま、こんばんは。

疏水が読めませんでしたか。失礼しました。
疎水って書いた方が良かったでしょうか。どちらでもいいようなのですが。
T夫妻にもお願いしたそうですみません。
近くにあればともかく、普段はあまり使わない言葉ですね。

投稿: びんみん | 2012年6月17日 (日) 23:57

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