豊岡宵田通りの近代建築
豊岡で近代建築が集まる通りの3つめは宵田通りです。
大正14年の北但大震災後の復興建築として建てられた看板建築が特徴的です。
この宵田通り(宵田商店街)は、現在カバンストリートとして売り出しているようで、カバンの自販機なども置いていました(駅などにもあります)。
この宵田通りは豊岡でも由緒ある商店街ではないかと思います。
というのは、街中で江戸時代の城下絵図を見たのですが、豊岡の城下町は特徴的です。今より町寄りを流れていた円山川に向かって尾根が突き出して、そこがお城。周囲が武家屋敷で、川に沿って長く伸びるのが町屋です。今の中心市街地はこの地図を見る限り田畑です。
この南北の通りが、宵田通りになっていったのではないでしょうか。
そこに並ぶ近代建築(主に復興建築)を北から順に紹介します。
まず橋本商店。結納用品屋さんです。
続いて、名前が分かりませんが、この建物。
なんとなく雰囲気が似ていますね。
橋本酒造。裏通りに酒蔵もありました。
洋風を感じさせる和風建築です。
この建物、桟も面白いですが、このカラフルで手作り感溢れるボーダータイルが魅力的です。
こちらは旧但馬貯蓄銀行本店です。
但馬労働基準監督署として使われていたこともあります。
きれいに改装工事中だったので、何になるのかなと思っていたら、オープンなギャラリー「豊岡画廊」と精神科診療所「高石医院」になったようです。2012年の4月29日スタート。
朝日新聞・兵庫版「旧但馬貯蓄銀、画廊と診療所に/豊岡」(2012.5.1)
毎日新聞・但馬版「旧但馬貯蓄銀行本店:北但大震災の復興建築再出発、
診療所兼ギャラリーに 来月6日まで記念美術展開催
--豊岡 /兵庫」(2012.4.30)
これも北但大震災の復興建築で昭和初期のもの。
これを読むと35年も空き家だったのですね。
それを復活させてオープンな形で活用されるとは非常にありがたいことです。
県のヘリテージマネージャーも活躍されています。
柱頭部分など和風の木組みとギリシャ建築の柱頭を組み合わせたような面白い形。
こちらは名前が分からないのですが、近代建築の表情です。
セセッション風といえるでしょうか。
天辺にメダル、2・3階の間にワラビの芽のような装飾が入っています。
その向かいあたりに素敵な2軒の看板建築。
ミントグリーンがさわやかです。
右はクリーニングキヌガワで、左は分かりません。
喫茶店にもなりそうですね。
左のお店、2階部分にはステンドグラスが入っています。
その隣も天辺に飾りを乗せています。
手持ちの資料では青柳赤ちゃん店となっていますが、今はぎゃらりーサルードと看板が出ていて、(株)サルードというソフト会社が入っているようです。
これも同じ並びで、クロワッサンという洋服店が入っています。
2階の窓の桟が面白いでしょう?
隣が空き地なので側面も見ることができます。
大胆に窓を開けていますが。
こんな窓の桟は初めて見ました。
とてもユニークなデザインです。
向かいに昭和レトロな雰囲気の建物。
床屋さんとかだったんでしょうか。
表通りはモルタルやタイルで覆われていますが、路地をのぞき込むと板壁がずーっと続いていたりして、地震の前はこういう街並みだったのかもしれません。
古い復興建築などもなんとか活用していこうという意思が感じられて、豊岡はがんばっておられるなと思いました。
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この戸牧川のあたりまで、昔は円山川の本流だったのではと思います。
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