豊岡市役所の建物たち
豊岡には近代建築がたくさんあるのですが、とくに豊岡復興建築群といって北但大震災(大正14年)からの復興で建てられた鉄筋コンクリートの建築が有名だそうです。
その中からまずは豊岡市役所関係の建物を紹介します。
中心となるのは昭和2年に完成した豊岡市役所旧本庁舎(旧豊岡町役場)です。
(参考リンク)
但馬情報特急「豊岡復興建築群」
真正面から見た市役所旧本庁舎です。
実は昭和2年にできたのは、この部分だけなんだそうです。
3階部分は昭和27年の増築。元のいかめしい感じから親しみやすい雰囲気に変わって、うまく増築したなあと思います。色も白ではなかったようです。
でもこの程度の増築では全然間に合わなくて、建て増したり、周囲の建物を市役所の庁舎にしていきます。
<ニュース動画にリンク>
この市役所旧本庁舎は、今年2月に25mの曳家工事をしたことでも有名になりました。
ついに新しい庁舎を建設することになり、その用地を空けるために取った解決策はこの建物を前に移動させること(!)。こんな重いものを引っ張ってしまうのはかなり異例です。
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地図でも確認しておくと、元々はブロックの真ん中に旧本庁舎がありました。
市役所南庁舎の北半分と西別館、東庁舎などを解体し、旧本庁舎を手前に引っ張って新庁舎を建てるという大工事です。
(参考リンク)
豊岡市役所「新庁舎建設」
裏から見るとこんな状態です。
次に市役所南庁舎を見ます。
縦長の窓が並ぶのが印象的です。
この建物は旧豊岡郵便局庁舎。本庁舎と同じ昭和2年の建物です。
北側にあった建物もその時のものなのでしょうか。
正面から見ると、四角い中に入口だけアーチが使われています。
スロープの屋根にアールデコ調の持ち送りが使われていますが、これは元々使われていたデザインを踏襲しているのでしょうか。
さらに市役所北庁舎。
これは昭和4年に建設された旧豊岡税務署庁舎だそうです。
こちらは大きな窓ですね。
四角い庁舎の後ろに切妻屋根の建物があります。
柵につかわれている石柱も少しデザインが入って良い感じです。
ついでに市役所南庁舎別館も紹介しておきます。
これは昭和9年にできた旧兵庫県農工銀行豊岡支店です。
渡辺節設計だそうです。
柱頭や壁面のポイントポイントに装飾を入れていますね。
市役所ブロックの北には和風の旧豊岡町消防署(昭和4年)もあるらしいのですが、今回は確認できていません。警察署もあって、既に解体されているそうです。
元の姿を復元してみると、復興計画として整った官庁街が作られたことが分かりますし、その後縦割りの対応にならずにみな豊岡市庁舎に変わっていったことも面白く思います。
さすがに分散しすぎなのは明らかで新庁舎を建てるのも分かりますが、それでも残すべきものは残すという気迫を感じます。
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コメント
因みに、旧豊岡消防署は今回の市庁舎改築工事で解体撤去されています。
投稿: フランキー | 2012年4月21日 (土) 23:26
フランキーさま
ありがとうございます。そういうことでしたか!
事前に確認していなかったので、単なる見落としかと思いました。
投稿: びんみん | 2012年4月21日 (土) 23:30