万代の牡丹湯(大阪市住吉区)
万代の牡丹湯に入ってきた報告です。
南海高野線の住吉東駅から東へ徒歩5分ほどの所にあります。
仕事帰りに立ち寄りました。
夜はこんなふうになります。
玄関には木の靴箱。
パステルカラーのタイル敷きです。
さて入りましょう。
番台には「よう来なさった」と、温和なおばあちゃんが座っていました。
貸しタオルをお願いすると、干してあるタオルを「それ持って行き」と。
脱衣所も渋いです。使い込まれたベンチもいいですね。
先客はお一人でした。
(写真は帰られてから撮っています)
木製のロッカー。
番号は漢数字でふられています。
風呂場へ。タイル張りの手洗い場があります。
お願いして浴室内も撮らせていただきました。
女風呂との境目に仕切りのある浴槽が一つ。
明るいタイルが張られています。
浴槽側面のタイル。ガマ?
洗い場はなんとなく余裕があるような気がします。
女湯とまたがる形で上がり湯用の湯鉢があるのは大阪の古い銭湯のスタイルで、
近所の万代湯は現役で使われているそうです。
湯上がりにはせっかくなのでみかん水をいただきました。
壁には富山の五箇山のポスター。
実は番台に座っているおばあちゃんは40年ほど前、この合掌造りの村から大阪に出てこられたそうです。大正生まれで9人姉妹のおばあちゃんです。
息子さんもこの銭湯を手伝っておられて、娘さんは岸里温泉でされているのだとか。
会話を行きつ戻りつ。
息子さんにもお話を伺いました。
なぜこの銭湯が昔のままなのかというと借家だからだそうです。
長屋でも借家だと昔のままだったりしますね。
大家さんはいくつもの銭湯物件を貸しておられたとのこと。
雰囲気があるため、鉄腕ダッシュなど何度かTVにも出ているそうです。
『関西のレトロ銭湯』にも出ていると本を見せていただきました。
この銭湯は昭和22、23年頃、廃材を使って建てられ、そのころから福助さんが見守ってこられました。
おばあちゃんは前の人から引き継いだので詳しく知らないそうですが。
定休日は第3木曜日ですが、1月は休み無し。
息子さんは「休めないんですよ」とおっしゃっていました。
廃材を燃やすのでなんとかやっていけるというお話。
ドライヤーの箱も年代物ですね。
この後、女湯も無人になったので、少し見せていただきました。
赤ちゃんを乗せる台が並んでいて、さらにすごい。
番台の時計はボーン、ボーンと鳴る時計で、おばあちゃんの家を思い出しました。
時代を忘れさせる音です。
この渋い銭湯、素敵なおばあちゃんとお話しに来ませんか?
私は帰り道に寄れるので時々寄ることにしようと思います。
<追記>
牡丹湯さんには毎年何度かは入りに行っていたのですが、
2021年1月31日をもって廃業されました。
とくに好きなお風呂屋さんだったので、非常にさびしく思います。
(2021.2.7記)
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コメント
こんにちはびんみんさん
自然な写真と共にちゃんと店主さんを取材されていていい感じの記事ですね。
私、お風呂屋さんって自前の建物でやってるもんやと思い込んでましたが、風呂屋自体が借り物というのもあるんですか。知らんことをまたひとつ教えてもらえました。おおきにです。
投稿: 山本龍造 | 2012年3月13日 (火) 00:02
山本龍造さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
私もお風呂屋さんはみな自前かと思っていました。
借り物だからほとんど手を入れていないという話も、そうだったのかと。
自分のものだったら売ってマンションにしてしまうという選択もありえますね。
投稿: びんみん | 2012年3月13日 (火) 01:18