さよなら豊岡劇場
先日思い切って豊岡市にある映画館、豊岡劇場に出かけてきました。希少な近代建築の映画館として、前々から行ってみたかったんです。
豊岡劇場は昭和2年に芝居小屋としてスタートし、戦後、映画館となりました。
大正14年に起きた北但大震災からの復興建築だそうです。
映画館は駅からは15分ほど歩いたところにあり、目立たないので、地元の人に道を聞いたりしながら、ようやくたどりつきました。
建物は看板建築で、角に高い壁を見せています。
正面には豊岡劇場のロゴマーク。
星形の装飾も付いています。
今回慌てて出かけたのは、閉館のお知らせを聞いたからです。
もともと今年の夏までに行こうかと漠然と考えていたところにこの知らせ。
3月末に閉館と聞いて慌てました。
映画のデジタル化はこんなところに影響を及ぼすのですね。
建物は残るかもしれませんが、やはり映画館は映画を観なければ。
スクリーンは200席、70席の2つあり、やはり大きい方で見たい気がします。
この日の映画は「ALWAYS三丁目の夕日’64」でした。
なんだかぴったり。
こういう上映スケジュールです。
ちなみにもう一つのスクリーンは、「マイウェイ」。
小さな入場券売り場です。
さて、入りましょう。
チケットを売って下さった方がもぎりもする一人二役。
この方がオーナーさんなのだろうなあと思いつつ。
昔ながらの売店です。
ロビーはそんなに広くなく、すぐ階段があります。
うねるような廊下。
昔ながらの重いドア。
内部は意外にも(?)きれいでした。
椅子が新しいのを除けば、昔はこんなんだったなあという映画館です。
観客席に向かって。
椅子張りなどは比較的新しいのではないでしょうか。
最後尾にはベンチも備えられています。
最前列に座ってもスクリーンは余裕。
映画「三丁目の夕日’64」はもちろん3D上映などではないですが、64年という時代設定と合って、なんともいえない気分です。素直に入り込めました。
*出版社の外観として神戸税関が登場します。
また病院の階段と丸窓が映るシーンは新港貿易会館ではないでしょうか。
ただ、閉館を聞いても15人ほどの観客で、経営の厳しさを感じました。
この広い空間を空調するだけでも大変でしょう。
これまで、よく頑張っていただいたと思います。
ありがとうございました。
こういう記事を用意していたら、「十三のいま昔を歩こう」の記事で、天六のシネ5ビルも3月30日で閉館と教えてもらいました。やはり厳しいです。
(密かに行きたいと思っていた愛知県の西尾劇場も昨年11月に閉館したという噂が。でも3月にこの動画が撮られているのは??
>産業遺産を歩く10 西尾劇場(動画)(音が出ます))
シネコンとミニシアターしか残らないのでしょうか。
機会を見つけてはこういう映画館を巡っていたのですが、やはり今のうちかもしれません。
洲本オリオン(なんと3D対応)にも行っておかねば。
(追記)大阪のタナベキネマも3月31日に閉館になったそうです。天六ユウラク座とセットで運用されていたようで、そのためでしょうか。(2012.3.31記)
<関連記事>
□既にない映画館
「最初で最後の新世界公楽劇場」
□今もある昔ながらの映画館
「新世界国際劇場」
「淡路東宝1」
「トビタシネマ」
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