東山公園・動物園(名古屋市)
既に記事にしていますが、名古屋の東山公園(東山動植物圓)に行ってきました。
文字通り名古屋の東の山にあり、昭和12年に開園した古い公園です。
地下鉄東山線の東山公園駅を降りると、動物園の正門に向かって並木道が伸びています。
正門は石張りの太い門柱が並んでいます。
動物園内に掲示されていた古い写真によると、この門柱は開園当初のもので、その後、いろいろなものが付加されたようです。(両脇の高い柱はなくなっていますが)
正門を入ると中の島のある池があります。
この橋のデザインがアールデコっぽい流線型でかっこいい。
上部に出っ張りがあるのは、照明器具が付いていた跡ではないでしょうか。
その先には噴水があります。
台座と池の形が星形あるいは円と多角形を組み合わせた平面形をしています。
噴水には動物たちの陶板レリーフがぐるっと巻いています。
この噴水、昭和12年の写真にも載っていて、開園当初のものです。
<昭和7年修正測図 2.5万分の1「名古屋南部」>
※クリックすると拡大します。
この東山公園のある場所は、昭和7年の地図を見てもまだ里山でした。
名古屋大学や南山大学のあるあたりは区画が割られて都市化が進みつつあるのが分かります。
東山公園は下の現在の地図と比べると分かりますが、もともとの地形を活かしながら公園にされています。
東山公園の主要部は、北西-南東方向のため池のある谷を中心軸として、あとは両側の斜面や周辺の谷などに施設が配置されました。
先ほどの正門前の池はため池の名残ですし、奥の上池はほとんどそのままボートの浮かぶ池に転用されています。
より大きな地図で 近代の公園 を表示
現在の園内マップです。
東山動植物圓には古い施設がながらく引き継がれてきましたが、現在、再生プランにもとづいて、改修工事が進んでいます。
ほんとは古い獣舎が解体される前にと思って出かけたのですが、既にいくつかの施設は解体されてしまっていました。ここに新たなアジアゾウ舎がオープンします。
手持ちの絵葉書から、東山動物園のものを紹介しておきます。
この檻も既にないものと思われます。
それでもいくつかまだ古い獣舎が残されています。
例えば、このライオン舎。参考にしたドイツのハーゲンベック動物園に倣い、当時先進的な柵のない獣舎です。
この距離と高さがライオンの怖さを印象づけている気もします。
現在はライオンの側に渡って、間近に見られるような改修が施されていて、行列ができていました。
このライオン舎は貴重な近代化遺産として、保存されることになっています。
ライオン舎は裏側から寝床の様子も観察できます。
こちらは現在のコンドル舎、かつての猿舎です。
斜面を活かしています。
メインエリアからは地下通路をくぐってきます。ちなみに壁のタイルはスクラッチタイルですのでオリジナルでしょう。
くぐってくると正面にばっと猿舎が見えるという印象的な動線になっています。
あとはどれが古い獣舎が分からないのですが、ホッキョクグマ舎は古いと書かれているものも。
北側の細い谷にあるドールシープ舎です。
ゾウ舎は抽象彫刻のようなデザイン。
各獣舎には動物のレリーフが張られています。
今の感覚だとちょっとおどろおどろしい。
正門脇外周にはスクラッチタイルの壁が残されています。
旧猿舎前にあったスクラッチタイルと同じタイプですので、同時期でしょう。
このコンクリートのガードレールも味わいがあります。
園内は非常に広く、まだ古いものが残っているのかもしれません。
昔はラヂオ塔もあったらしいです。
改修はされますが、新しい再生計画では、今回の正門や正門前の池、噴水、ライオン舎、前回紹介した旧モノレールや恐竜像など、昔のものを残すことになっていますので、古いものもうまく活かしながら新しい動物園になればと期待します。
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