近代化遺産の柴島浄水場(2)柵の外から
大阪市の柴島浄水場に水道記念館(旧送水ポンプ場)を見に行ったついでに、柵の外から分かる範囲で浄水場に残る古い建築物などを見て歩きました。とくに展示で紹介されていた取水塔をぜひ見てみたいと思いました。
水道記念館から敷地の外周を東に進むと、見にくいのですが、近代建築らしきものが見えます。
後で調べると、昭和5年に建設された第1濾過池(資料館)本館、あるいは水質検査所という建物だということが分かりました。
建物も魅力的ですが、前庭にも水道関連の資料が屋外展示されているようです。
見学コースに入っているのでしょうか?
入口のアーチなど、重厚かつ繊細です。
その奥には池があって、木造の小屋なども見えます。
南東の敷地外に鳥居が見えましたので寄ってみました。
「現龍大神」とあって、龍神ですから水の神様ですね。
柴島浄水場一同による寄進が昭和44年に行われています。
「現龍」という名前が何を意味するのかは分かりませんが、まさにこの水という感じがします。
東の敷地沿いには石積の壁が続いています。
柴島の旧集落を見ながらかなり歩いて、浄水場の北東部に出ました。この辺りもよく昔の建物が残っています。
こちらは第1取水ポンプ場。改修されてきれいになっていますが、大正3年の建物です。
(これ以降、写真は実際に歩いた順番と異なります)
屋外にもポンプのようなものが。
別の角度から見ると、玄関部に「取水喞筒(ポンプ)場」という扁額が埋め込まれています。
門からのぞき込むと、奥に三角屋根の建物が。古い建物を改修したものとも見れますが、実際に古い建物かは確認できていません。
このあたりの建物は淀川の堤防上からよく見えます。
敷地沿いの道だと、延々と塀を見ながら歩くことになります。
作業用の通路が道をまたいでいて、こういうのがすごくうらやましく思います。
こちらは水管橋。このあとさらに淀川を越えます。
淀川の堤防上からはこんな建物も(見づらいですが)見えます。
第2取水ポンプ場と思われます。昭和2年の建物です。
同じ建物を側面から。
葉が茂りだしたらほとんど見えなくなりますね。
手前に見えている赤煉瓦(なんです)の2本の溝は、沈砂池と思われます。
堤防上を歩いて行くと赤煉瓦の3本の筒が現れます。
これが取水塔です。その向こうには淀川水管橋。
余談ですが、水管橋の向こうには橋脚が。
取水塔は手前が昭和5年で、奥の2つが大正3年から使われているもので、今も現役!です。
ちょっとありがたく思いません?(私ぐらいか)
これが大正3年の取水塔です。
3つの取水塔はメンテナンス用の通路で結ばれています。
ここから眺めると赤煉瓦の取水塔の向こうに大阪のビル群や淀川大堰(昭和58年完成)が見え、左には淀川水管橋と実にダイナミック。
また季節や天気の違う日にも訪ねてみたい場所です。
<大正12年 1万分の1「大阪」>
※クリックすると拡大します。
開設後10年経たない頃の柴島浄水場。
今よりも大きな規模です。
川上で取水して、川下から送り出しています。
左下に2本伸びる点線は水道管のようです。
より大きな地図で 柴島浄水場 を表示
主なポイントをプロットしてみました。
参考までルートも載せています。
とくに淀川堤防に渡れる場所は限られていますので、取水塔を見に行かれるときは事前にルートを確認されることをお勧めします。
柴島浄水場は再開発の計画があり、今回回れなかった部分も何があるのか確認しておきたいと思います。
<関連記事>
「近代化遺産の柴島浄水場(1)水道記念館が一時休館」
<関連ブログ>
十三のいま昔を歩こう「ムーミンの家?」ほか
ひろの東本西走!?「柴島浄水場の建物?」
まちかど逍遙「柴島浄水場の小屋」
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