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2012年3月26日 (月)

近代化遺産の柴島浄水場(1)水道記念館が一時休館

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大正3年から大阪市民に水を送り続け、今なお現役の柴島浄水場に出かけてきました。2回に分けて紹介します。
今回は水道記念館(旧送水喞筒(ポンプ)場)についてです。

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柴島浄水場自体、閉鎖して再開発される方針が出ていますが、水道記念館は4月から一時休館に入ると知り、慌てて出かけてきた次第です。期間も「当分の間」という表現で、いつまでだかよく分かりません。
いつでも行けると思っていてはいけませんね。

(追記)大阪市水道局と大阪広域水道企業団との統合協議で、柴島浄水場の東半分の廃止に着手することで合意との報道がありました。逆に言うと西半分(水道記念館などがあるエリア)は残すみたいです。今後どうなるか分かりませんが。→読売新聞の記事(2012.8.27記)

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さて、正門を入ると帽子をかぶったようなかわいらしい建物があります。
ここにあると守衛所みたいですが、違って、緩速濾過池の「節制井」上屋という、濾過速度を調整する装置が入っていた建物(明治41年建設)を移築したものだそうです。

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裏側に入口があります。
あまり装飾的ではありません。
これが1つだけあったわけではなくて、池ごとに設置されていたようです。

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記念館前にちょっと気になる亀池が。
龍山石のような素材でできた水のオブジェです。

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送水喞筒場の建物は、大正2年に竣工しました。
設計者は宗兵蔵です。大阪城公園にある水道施設も彼の設計です。

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「送水喞筒場」と難しい字で書かれています。
細かいところに装飾が入っていますね。

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照明器具の取り付け金具も妙に凝っていたり。

この日は家族連れで賑わっていました。
展示の大部分は、川の動植物と上水道の仕組みですが、私は自分の好みの部分だけ取り上げます。

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大阪の水道の始まりとして、名所図絵で高麗橋に水屋が描かれている場面が再現されています。

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水屋さんのマネキンも。

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大阪の近代的な上水道の始まりは、桜宮水源地です。
明治28年のことです。その模型が展示されています。

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奥にあるのは「横軸両吸込ディフューザポンプ」、水を送り出すためのポンプだそうです。大正10年から56年使われたものでスイス・ズルツァ社考案。
手前のハンドルが付いたものは「制水弁開閉台」。市内へ水を送る管に取り付けられた制水弁を開け閉めするための装置だそうです。

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水道記念館内部は、展示用に大改修してあってほとんど昔の様子を窺えないのですが、1ヶ所だけ、元の壁を残している部分があります。

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煉瓦とタイルの壁です。

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使われている煉瓦は大阪窯業のものだそうです。

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※クリックすると拡大します。

改修工事の解説を読むとかなり大がかりな改修工事をやったことが分かります。
この施設が今後どうなるのか分かりませんが、せっかくこれだけ手をかけたのだから、残しておいてほしいですね。

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広々とした芝生の広場。
見学を申し込めば、平日に浄水場内の見学ができるそうです。
見学自体は4月以降どうなるのかな・・・

<関連記事>
 「近代化遺産の柴島浄水場(2)柵の外から」
 「都島公園」・・・桜宮水源地について少し触れています
 「大手前遊歩道」・・・宗兵蔵による高地区配水喞筒場

<関連リンク>
 水道記念館公式ホームページ
 ひろの東本西走!?「柴島浄水場、高射砲跡住居」(2008.11.10)


より大きな地図で 柴島浄水場 を表示

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