東山植物園の温室(名古屋市)
東山動物園を一巡した後は、その奥にある東山植物園に向かいました。
動物園との連絡通路は、ぐるっと回り込むことになります。
東山植物園は昭和7年に東邦瓦斯から寄付を受けたのを基礎に、昭和9年に着工し、昭和12年3月24日に開園しました。
一番の目的はこの温室。
温室のうち5棟は開園時からあるもので、なんと温室なのに重要文化財です。
設計は名古屋市建築技師の一圓俊郎氏だそうです。
前面には池がありますが、当初はバラ園だったそうです。
ロンドンのキューガーデンの温室をモデルにしたという美しい姿です。
手持ちの絵葉書を載せておきます。
温室は変わらないですね。この頃は石炭ボイラーの煙突があります。
手前に児童公園があったようです。
ついでにもう一枚。ほとんど同じですが。
では中に入ります。
前面部分が昭和12年の温室で、後ろにも木造の温室があったのですが、戦災で焼失したのだそうです。
こんなところまで空襲されたのですね。
現在あるのは、その後に再建された温室です。
入口には開園当初の写真などがたくさん掲示されていて、初期の様子が分かります。
まず中央ヤシ室に入ると鬱蒼と植物が茂っています。
植物園の温室って独特のむせるような匂いがしますね。
インドゴムノキは昭和12年からの生き残り。
インドボダイジュも同じく昭和12年からあるものです。
当初からある植物にはこのようにプレートが掛けてあって分かるようになっています。
他にも、ピンポン、アメリカシャガ、ドクフジ、カンノンチク、カラタネオガタマ、ガジュマル、ゲッキツなど全部で10数種が開園時からある植物だそうです。
構造を見てみましょう。
鉄骨造りの総ガラス張りで、鉄骨をつなぐのにリベット組みではなく、名古屋では当時初の電気溶接を使った最新工法が取り入れられたそうです。
柱の基礎部分。高架下でも時々こういう形を見ますね。
温室の上部。
両翼をつなぐ低い部分の温室。
美しいです。
モザイクタイルによるタイル絵などもありました。
さて、再び温室の外へ。
植物園の入口近くに池があり、この橋の形は昭和12年頃の写真にも登場しています。
動物園と結ぶ花園橋は昭和25年架設。
現在、改修中です。
植物園は広くて、まだ奥に遊歩道がありますし、尾根の上まであるようです。
植物園の池。移築された合掌造りの建物などもあります。
今回はあまり時間がなくて、ここまでで精一杯でした。
もしかするとまだ奥に見るべきものがあるかもしれません。
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