加古川の近代を訪ねて(4)旧加古川町公会堂
ニッケ社宅街を見た後、現在は加古川図書館として使われている旧加古川町公会堂を見に行きました。
昭和10年(1935年)の建築です。
設計者は置塩章。旧神戸移住教養所(神戸移住センター)や旧大阪砲兵工廠化学分析場、旧国立生糸検査所などなど、残された建物が多数あります。
この建物については多くの方が紹介されていますので、詳しいことはそちらで。
とても立派な建物です。
近代建築ではよくあることですが、目の前に立って思うのは「え、こんなに小さいの?」この場合もそうでした。だんだんせり上がっていくような形がそう思わせるのかも。
北側から。松が一本見えますが、ここで三島由紀夫が徴兵検査を受けたとされると後で知りました。(住んでいたのは東京の方なのですが、本籍地が加古川で、わざわざ検査に通らないように田舎に来させられたとか)
一応、裏側もお見せしておきます。
裏側は裏側ですね。
再び正面から。
大きな半円のステンドグラスが目を引きますが、それは後で紹介します。
非常に装飾的ですが、それが残される理由でしょうか。
門柱も変わっています。
門柱は正面だけでなくて、正面左右にもあります。
どう形容して良いのか、なんとも不思議な形。
玄関を間近から。
庇が大きく張り出しています。
縁から持ち送りまでアールデコの装飾で彩られています。
玄関脇の壁。
タイルのはずですが、煉瓦っぽい分割をされています。
玄関ホール。
梁も段々になっています。
柱の頭にはアールデコの装飾。
玄関の市松模様のタイルなども古いものかもしれません。
壁にはスクラッチタイルです。
近くで見ると角には曲面のスクラッチタイルが使われていて、柔らかい印象です。
2階への階段。
ちなみに図書館内は、階を区切る天井が入れられたり、元の様子を留めていないようです。
事務エリアまでは分かりませんが。
2階の階段手すり。
これも角が丸くなっていますね。
階段手すりの壁は、油絵風に厚く塗られています。
そしてステンドグラス。
内側から見ると非常にきれいです。
(この照明器具、ここに要るのでしょうか)
ステンドグラスを近くから。
これもアールデコ風のデザインになっています。
加古川に残る近代の公共建築としてはここぐらいらしいので、ぜひこれからも使い続けていただきたい建物です。
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