鳳の堺市営住宅
JRの阪和線で鳳駅に着く直前、西側に古い似たような住宅が並んでいるのが目に入ります。
何だろう?と気になったので、昨年末、降りて確認してきました。
表通りに面する入口には古い建物の酒屋さんがあります。
道に入って振り返ったところ。
駐車場の合間に古い住宅が残っています。
これは後で紹介する住宅とは別かなと思います。
地区に入りました。フェンスに囲まれた空き地が広がって、合間に古い住宅が点在しています。
例えばこういう住宅。
小屋裏の換気口が古いタイプです。
(後の地図でA・Bの住宅)
こんな風に空き地だらけです。
堺市住宅管理課の看板がありますので、堺市営住宅だったのでは?と思われます。
道はゆるやかに下っていて、線路脇の低地を開発した住宅地のようです。
フェンスに挟まれた道の奥に何軒かの住宅が固まっています。
奥に見える森は大鳥大社の森です。
<おおよその図ですので正確ではありません。緑の線で囲ったエリアも推測です>
せっかくなので、現状を地図にプロットしてみました。
AからHまでが現存する住宅で、薄紅色は昭和49年の空中写真で確認できるものの、現存しない住宅です。(?はうっかり写真を撮っていませんでした)
数えてみると29戸、現存は8〜9戸です。
1946年(昭和21年)米軍撮影の空中写真ではこの住宅地はまだ区画になっていないようで、1956年(昭和31年)の写真では住宅地になっていますので、昭和20年代に建てられた堺市営住宅というのが私の推測です。
堺市の地域住宅計画で、
「昭和20年、30年代に建設された木造や簡易耐火構造の市営住宅が残っており、これらの住宅は住戸規模や設備水準が低く、防災面で の危険性も高いため、早期に建替え、居住水準を向上させる必要がある。」
とされていて、これがその一つではと思われます。
(追記)
日本給水党党首のUCさんから、「大阪府住宅年報1957付録「府下公営住宅所在地一覧表」に堺市営中鳳団地というものがありました。昭和26年築で木造29戸。住所も同じです。」という情報をいただきました。情報ありがとうございます。(2012.3.4記)
住民が転出した住宅から順次解体しているのではないでしょうか。
現在の様子をご紹介しておきます。
C・D・Eの住宅です。
D・Eの住宅です。
線路脇なので、電車からよく見えます。
Cの住宅を逆から。
Fの住宅が一番原状を留めているのでは?と思われました。
庭木の松なども残っています。
玄関の周りも元もままかと思います。
最後にH・Gの住宅です。
どれも似ていますでしょう?
住宅地内ではないですが、隣接した地域にも古い住宅があります。
表通りの板張りの商店。
戦後の市営住宅は取り上げにくい面もありますが、全て解体されるのは時間の問題で、住宅史の貴重な証人だと思いますので取り上げてみました。
<関連記事>
*戦後の市営住宅
「岸和田の木造市営住宅」
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