奈良の町家で「はならぁと」開催中
私もつい最近知ったのですが、
奈良・町家の芸術祭「はならぁと」というイベントが開催されています。この頃増えている、町家で現代アートを展示するイベントです。
奈良県内の7つの街で、10/8(土)〜10/30(日)まで開催という大がかりなもの。
「はな」+「なら」+「アート」で「はならぁと」
花がテーマになっています。
ふだん非公開の町家なども公開されるということで、初日に出かけてきました。
まずは五條です。
五條は江戸時代の宿場町の町並みが残る(さらに修景されている)重要伝統的建造物群保存地区の、新町通が舞台です。吉野川のすぐそば。
→新町通の解説は五條市のHPで
まずは栗山本家を見学しました。
軒先に板が下げられていますが、吉野川の川霧を防ぐ霧除けの板で、ここの町家の特徴だそうです。
ここでは地元の作家さんの作品が展示されています。
その作家さんというのが、なんとここの奥様で、ご本人が案内もしてくださいました。
関東から嫁いでこられた方で、東京でも個展を開かれたりしているそうです。
本当は人物画を好んで描かれるそうですが、はならぁとなので、花の絵を出しておられます。
ご商売を伺うと材木を商っておられたそうで、そう思ってみると建具などとてもきれいな木が使われています。てかてかしているのは、塗りの職人が入っていたそうです。
続いて山本本家。創業280年の酒屋さんです。
ここは花谷久味子さんの屏風に生花の作品が展示されていました。
が、それ以上に頭上の杉玉群がインパクトがあります。
これは作品ではなくて、いつもこうしてあるそうです。
続いてまちや館。普段から公開されている建物ですが、特別に奥や2階が公開されているそうです。
ひとつ展示をご紹介すると藤田りよさんのアート。
球根に目鼻とぼんぼんが付いてユーモラスです。
ここどこだと思いますか?
トイレです。
2階では、部屋に舞う紅葉の扇が見事でしたが、それは現地でどうぞ。
こちらは前防邸。
お医者さんのお宅で、右が本宅、正面が離れ、左が蔵です。
離れと蔵が展示会場になっていました。
離れの細工が見事だったので、別の記事で紹介します。
離れはこの後、宿泊施設にされるそうです。楽しみですね。
リリアン編みで包んでいくという山本麻世さんのアート。
この日も制作中で、会期中にも増殖していくそうです。
その近くにはまちなみ伝承館。
まちなみ伝承館とまちや館の2つが普段からの観光施設です。
ここではChumpol Taksapornchaiさんというタイの作家さんが展示されていました。
このほか、時間がなくて訪問できませんでしたが、西尾邸や中家住宅なども公開されています。
五條は久しぶりの訪問(20年ぶりぐらい?)でした。
いろいろ面白いものがあったので、別に記事にします。
続いて、電車で畝傍駅まで移動。
八木の会場を見に行きました。(今井の会場もすぐ近くです)
(北)河合家の会場です。
面白いのがかまどの蓋。蓋に凝るのは珍しいですね。
菊水の紋は楠木正成に縁かと思うのですが、分かりません。
(東)河合家ではいしかわかずはるさんの、ひもの作品。
格子に合って面白い作品です。時間が遅くて中は見られませんでした。
再びJRの畝傍駅。
ここの面白いのは、皇族のご利用のために右端に貴賓室があることです。
貴賓室と駅のホーム。専用の階段があります。
この日の夜は、貴賓室で映画『ハーブ&ドロシー』のチャリティー上映会がありました。
昨年話題になった、NYの美術コレクター夫妻のドキュメンタリー映画です。
ぜいたくな会場ですね。いい映画でした。
この日は、見たところ地元の人とアート好きの学生さんが歩いているという感じで、そんなに混んではいませんでした。
はならぁとは、今井・八木・五條新町 → 三輪・宇陀松山 → 郡山城下町・ならまち の順にリレー式に開催されます。
またもう一度ぐらい行けたらな、などと考えています。
<関連HP>
公式HP「奈良・町家の芸術祭 HANARART(はならぁと)」
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コメント
びんみんさん、お久しぶりです。奈良の街の一画を案内してくださり、ありがとうございます。びんみんさんのブログを見るようになってから興味や視点がちょっと違ってきているみたいです。先週は急に思い立って東京へお墓参りに行ってきました。強行軍だったのでいまだに疲労感が抜けませんが、色々焼きついています。一番は横浜ですが、お友達が一日案内してくれほとんど歩き。古く立派な元外国人宅が何軒も公開されていたり、横浜ならではと思える珍しくお洒落な外観のマンション・お店・大邸宅等など、びんみんさんだったらどんな表現をするのだろうって思いました。帰りは最終便だったので、「江戸小路」を別のお友達と回りましたが、平日にもかかわらず大勢の人でした。東京も横浜も話には聞いていたので納得でしたが、本当に節電で夜の景色が以前と違っていました。でもそれに慣れると以前の明るさが贅沢だったということですね。最後に3日付の「警邏」は警らにしてくれないと絶対に読めない漢字だとつくづく思いました。これからも楽しみにしています!
投稿: まあちゃん | 2011年10月13日 (木) 12:17
まあちゃんさま、こんにちは。
コメントありがとうございます。
横浜は2,3回訪ねましたが、じっくり歩いたことはなくて、近代建築好きとしてはゆっくり見たい街です。
「江戸小路」というのができているのですね。
しばらく羽田は利用していないので、まだ見ていません。暗くなったと言われる東京の夜もまだ。
これからもよろしくお願いします。
投稿: びんみん | 2011年10月14日 (金) 08:13